テレビディナー

ジャニーズのことを、おてがる、おきがる、かんたんに。

高橋怜也さん演じる新テニの跡部景吾を、今、2ndで見てほしいーー『ミュージカル新テニスの王子様 The First Stage』の跡部の魅力を原作におけるイメージ変化から考える

 『ミュージカル新テニスの王子様 The First Stage』(以下:新テニミュ1st)の感想を、と思っていたのですが、高橋怜也さん演じる跡部景吾をひとりでも多くの方に!今すぐ!ご覧いただきたいので、跡部にフォーカスした記事を書くことにしました。

 原作におけるイメージの変化を追いながら、新テニミュ跡部として高橋さんがあまりにも正解な話をします。

 

 跡部景吾というキャラクターの解釈は以下の通り。先日書いたブログから引用です。

 

 跡部はテニス部のみならず氷帝学園全体を束ねるリーダーで、目見麗しさゆえか女子生徒から圧倒的人気を集めています。人々を惹きつける強いカリスマ性があり、一人称は「俺様」。お坊ちゃまだからでしょうか、派手好きなところも見受けられます。華美で唯我独尊、天賦の才に恵まれたキャラクターと捉えられがちかもしれません。

 

 でも、本質はそこじゃない。『努力』。この二文字にあると考えています。

 試合で相手の弱点を見抜く特技「眼力(インサイト)」は、負け続けた幼少期の経験、悔しさを糧に身につけたものです。対戦相手をじっくり観察し、どう返せば、どこに返せばポイントを取れるのか試行錯誤していった結果、洞察力が発達したのでしょう。持ち味の持久力だって一朝一夕にはいかない。寝て起きたら備わっているわけではありません。地道なロードワークの継続で徐々に高めていったものだと思います。

 「俺様の美技に酔いな」。そう宣言し繰り出す技の名前は「破滅への輪舞曲(ロンド)」と華やかで幻想的ですが、それらを下支えするのは泥くさく、地に足の着いた努力なのです。

 

 人の心を惹きつけるカリスマ性は天から与えられたものかもしれません。ですが、努力を怠らずに生きてきた自分自身や、これまでの日々に対する自信によって身についたものと解釈してもいいのではないでしょうか。跡部の自信は中身のある、根拠のある自信だと思います。座右の銘が「Adel sitzt im Gemüt, nicht im Geblüt.(

高潔さは血筋にあらず、心にあり)」というのも頷ける。

 

ginzagin68.hatenablog.com

 

 次に、イメージの変化を考えます。

 『テニスの王子様』(以下:旧テニ)の跡部は『強者』『壁』と言えます。これは、跡部が主人公・越前リョーマのライバルとして登場する点が大きく影響しています。

 旧テニは、リョーマ属する青春学園が全国大会を制するまでを描いた話。リョーマや青学の成長譚としての側面が強いので、その他ライバル校の成長は深掘りされていなかったと記憶しています。変化するのは主人公サイドなので、あくまでライバルたちは立ちはだかる壁として存在していました。

 跡部も例に漏れず挑まれる側、受け止める側として描かれています。特に『強者』としてのイメージが強かったです。関東大会では、青学の部長・手塚から白星を挙げました。手塚に関しては故障中という注釈が必要ですが、作中でも最強レベルの相手に勝ったことでこのイメージは強化されました。

 そして、最も象徴的だったのは全国大会準々決勝。リョーマには敗れますがその描き方がとても劇的なんです。

 互いに死力を尽くし、そろってコート上に倒れ込んだ跡部リョーマ。先に立ち上がったのは跡部でした。制限時間ギリギリのところでリョーマも立ち上がりサーブを放ちます。ですが、ボールを打ち返す音は聞こえません。跡部は気を失っていたのです。

 「跡部よ 気を失って尚君臨するのか」

 手塚はこう語りました。対峙するリョーマも「凄いよ……アンタ」とこぼします。

 敗者になったけれど『王様』であり続けた。この負け方は、旧テニにおいて跡部が『強者』であり『壁』であることを証明しています。

 また、プレイヤーとして登場するのが中学生のみの旧テニにおいて、3年生は大人と言えます。個別を無視してまとめてしまうと、一般的に大人は子どもより成熟した存在とみられます。登場人物の年齢は上記のイメージを補強する材料になります。

 

 強く、立ちはだかるキャラクターとして存在してきた跡部のイメージは、『新テニスの王子様』(以下:新テニ)でどう変化したのか。その問いに対する答えは『発展途上』『進化』という2つの言葉に集約されると考えています。

 

 全国大会を終えた中学生たちはU-17日本代表の合宿に招集され、高校生や世界の選手と戦います。今回は代表合宿に焦点を当てて考えていきます。

 選手たちは実力順に1~16番コートへ割り振られます。番号が若いほど実力者たちが集まっています。毎日開催されるシャッフルマッチで自分の所属するコート番号より若い選手に勝てば、その選手と入れ替わり所属することができる仕組みです。

 跡部は5番コートまで上がります。実力底上げを担う高校生ひとり以外、所属メンバーが全員中学生になった5番コートは、チームシャッフルを懸け高校生たち属する3番コートに挑むことになりました。

 言及したいのが、対戦相手はあくまで「3番コート」ということ。仮に勝利し3番コートに上がったとしても、1番コート、2番コートの選手たちが立ちはだかるということです。そして、代表合宿の先にはU-17ワールドカップーーつまり、世界が待ち構えている。挑む相手しかいない新テニは、跡部含む中学生たちの成長譚というわけです。(それだけでなく高校生たちの葛藤、成長も描かれていますが)

 

 旧テニで挑まれる側だった跡部ですが、新テニにおいては挑む側として描かれていることがわかります。チームシャッフルでは入江奏多に翻弄され、その後の代表上位10名・Genius10との戦いでは精神の暗殺者こと越知月光の餌食になる。

 しかし跡部は折れません。特技であるインサイトを発展させ、入江に「キミの進化は危険すぎるよ」と言わしめます。プレッシャーへの対処に関しても「ここまで早く精神的重圧から立ち直ったやつは初めてだ」と、重圧を掛けた越知が評します。

 壁として立ちはだかってきた跡部が、新テニではもがき苦しみ、汗をかき、進化し続けている。ある種完成された存在とも思えた人は、完成していなかった。まだまだ発展途上だったわけです。

 

 ここで思い出したいのが跡部の本質。この人の芯は努力することです。挑む側に立ったことで、旧テニ以上にこの部分が際立ってくるのが新テニだと思っています。インサイト誕生の経緯が描かれたことも立ち位置を明確にしました。

 

 そして、ここまで述べてきたイメージの変化を新テニミュ1stで上手に表現していたのが、高橋さんだったんです……! 

 

 まず新テニミュ1stについて。この作品では5番コート対3番コートのチームシャッフルが描かれます。跡部の対戦相手である入江役は相葉裕樹さんと泰江和明さんのダブルキャストでした。ここでは、Blu-rayに本編として収録されている相葉さんバージョンについて記します。

 

 高橋さん、何と言っても歌がうまい! 音程が正しく、声質もいいのはもちろんなのですが、表現力がピカイチ! 声だけでも情景や跡部の表情が浮かんできそうな歌い方でした。

 そして、キャラクターの一貫性を担保する声量。挑む立場ではあるけれど、氷帝学園のリーダーかつ『王様』としての存在感もビシバシ感じました。「俺は跡部だ テニスの王者だ」と歌うことに違和感がない。旧テニからちゃんとつながってるんですよね。氷帝学園を背負う強さとカリスマ性を備えながら、敗戦も経験し苦杯をなめた新テニ跡部。華麗さと泥くささのバランスが本当に絶妙でした。すごい。新テニの跡部としてあまりに正解。

 顔立ちがクールすぎないのも、高校生たちの中に交じっている”子ども”を表現するのに一役買っている気がします。それが顕著だったのは、入江の手のひらの上で踊らされている場面。ぐしゃりと歪んだ表情からは、経験の差を見せつけられていることへの歯がゆさが感じられました。試合前、年齢にこだわっている時点で「終わってる」と切り捨てた相手に形勢逆転された恥ずかしさもあるかもしれません。目がぱっちりとした高橋さんが子どものように表情を歪めたからこそ入江と跡部の違いが鮮明になったと思います。

 

 以下感想です。

 1月25日に新テニミュ1stBlu-rayを購入してからというもの、冗談抜きで入江対跡部を毎日見てます。一番好きな試合。

 試合中に歌う3曲ともそれぞれ好きですが、どれか1曲をおすすめしてほしいと言われたら『ノー・プライド』を選びます。まさに歌と歌の殴り合い……!

 試合終盤、足を痛めた跡部はボロボロになりながら戦ってるんですが、高橋さんはそれを歌声でしっかり表現しているところが本当にいい。

 所々がなったり言葉の端を息切れさせたりするので、必死でコートに立ってることが声だけでもわかります。膝をつき「見ろ これが本当の俺の姿なのさ 全てを投げ出し丸裸の俺」と歌うときは弱々しく震えるような声になっていて、痛々しさを感じさせます。「ぶつかってこい」と入江に向けて歌うときは、もはや音を無視しているんですよね。腹の奥底から湧き上がる闘争心を「ぶつかってこい」という歌詞にそのまま込めている。

 全て、プライドすらもかなぐり捨てるかのごとく、勝利だけを追い求め全身全霊で「孤軍奮闘」している跡部がいたんです、そこに。跡部を演じているというより、跡部になっていた。

 

 受け止める側の相葉さんが終始安定した伸びやかな声で歌い、入江の余裕をたっぷりと醸し出しているから対比が鮮やかに浮かび上がってきました。セリフ部分の話になりますが、跡部にキレられたときも「はいはい」といなすように笑いながら返球しているところ、本当によかったです。『演技派』である入江先輩らしくて好きでした。

 

 相葉さんの歌声があって高橋さんが輝くし、高橋さんの歌声があって相葉さんが輝く。相乗効果という言葉の意味が舞台の上にありました。化学反応を起こしていた。

 百聞は一見に如かずなのでぜひご覧いただきたいです……! 

www.animate-onlineshop.jp

 

 『跡部王国(キングダム)』も好きです。追い詰められた跡部が己の選手生活を振り返り、相手の骨格を透かし絶対死角を狙う新技『跡部王国』を完成させた後に歌うんですが、声から自信が満ち溢れていて、解放を感じる。ロングトーンのビブラートもすごい!

 

 はぁ……高橋さん演じる跡部、本当に見てほしいです……! 新テニの跡部がいるので……!!!!

 でも、Blu-ray買うのは敷居が高いなぁと思われる方もいらっしゃると思います。わかります。決して安くはないし、手元に残る物を買うのって悩みますよね。

 そこでオススメしたいのが、東京ドームシティホールで開催中の『ミュージカル新テニスの王子様 The Second Stage』(以下:新テニミュ2nd)です!

 20日まで毎日上演中。平日は18時開演なので、職種によってはお仕事終わりでも駆け込めます。

 もちろん跡部役は高橋さんです。『ノー・プライド』の血を継ぐ曲もあります。歌唱力、表現力は健在。健在どころか磨きがかかっていました。音を聴くというより浸れます。特にロングトーンは全身の毛穴がブチ開きます!

 

 「いや、そうは言うけどチケットもうないんじゃ……?」

 あるんです。当日引き換え券が!!!!!!

 

eplus.jp

 席はランダムなので当日までわからないのですが、当日券で入った友人はそんなに悪い席じゃなかったと話していました。S席、A席は引換券購入時に選択できます。

 

 新テニミュ2nd、魅力たっっっっぷりです!!!!

 歌がうまい役者さんばかりなので聴きごたえ抜群。ぜひ生で見て聴いて新テニミュを体感してほしいです。すごく楽しくてマイ初日が終わった後すぐにチケット増やしました。それくらい見どころ満載なんです……!

 Genius10の高校生たち、かっこいいのにおもしろくてかわいいの本当にズルいし、中学生たちもかわいい。初日の感想走り書きはこちら。

ginzagin68.hatenablog.com

 

 会場内は会話禁止の通達が出ているので、観客は基本的に話していません。いつも静か。わたしも連番した友人とずっとLINEで会話していました。感染者を出さず、絶対に大阪の大千秋楽まで駆け抜けてほしいので。

 

 とはいえ感染状況が気がかりな方もいらっしゃると思います。行きたいけれどさまざまな理由で足を運べない方も。

 そんな方におすすめしたいのが配信です!

 現在、初日のアーカイブ配信が販売中。税込2800円で、購入から1週間見られます。東京公演、大阪公演も配信予定。

www.tennimu.com

 

 「ミュージカル見るほど時間がない」なぁという方。

 そんな方におすすめしたいのがテニミュ・モバイルです!

 コンテンツがたくさん用意されているのですが、その中にテニミュの楽曲配信がありまして……!

 楽曲配信サービスは月額550円(税込)コースから利用できます。もちろん新テニミュの曲もあります。3分半あれば『ノー・プライド』を耳から体感できます。ぜひ!

sp.tennimu.jp

 

 勢い任せに書いたので乱文ですし自分の思う魅力を100%伝えきれた気がしませんが、高橋さん演じる跡部が最高だということだけわかっていただければうれしいです。

 何かしらの方法でご覧いただけたら、なおのことうれしい……! 現場でも配信でも円盤でも補助金出しますので……なにとぞ……!

 

 ではでは!

 

ジャニオタ、テニミュデビューで大興奮ーー『ミュージカル 新テニスの王子様The Second Stage』マイ初日兼初テニミュ感想


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 2018年のSixTONESサマパラ以来のTDC!ひさしぶり!

 ついに観劇デビューしました、テニミュ!(厳密には新テニミュですが) 

 

 新テニミュはドデカいびっくり箱でした。バラエティ豊かな品々が絶え間なく飛び出してくる。感情の動きがすさまじくて楽しかったです! 初めての文化体験に心と体が舞い上がったからか、普段7時間程度の睡眠時間がこの日は9時間近くまで伸びてました。

 

 ということで、2/11の新テニミュ夜公演の感想を覚えているうちに書き残しておきます。本当は1st円盤の感想を先に書きたかったのですが感情の鮮度を大事にしたい。

 マイ初日の今回はなるべく全体を見ることを意識しました。双眼鏡は個人比であまり使ってないため、表情など細かいところは拾いきれていません。あと、メモもとってないので記憶違いをしてるところがあるかもしれません。

 

 ざっくりまとめるとこんな感じです。

  • パワーアップした高橋さんの跡部に好きが募る
  • リアコ爆増を確信、秋沢さんの種ヶ島
  • 真田の歌詞と天衣無縫を見つめる幸村、しんどい
  • キミ様のWinter Paradise開演(大興奮)
  • 毛利の無邪気さがかわいい
  • ヤバいやつだけどかわいい遠野
  • 平等院対徳川しんどい、苦しい
  • ディスタンス!ディスタンス!ディスタンス!
  • 基本的に目が足りない、困る

 

 1月下旬に1st円盤を購入、視聴してからというもの高橋怜也(りょうや)さん演じる跡部が大好きになってしまいまして……! 新テニの跡部として正解すぎる、と感動したんですよね。(りょやべの魅力を語るのは1st感想ブログに譲ります)

 こういった調子なので生でりょやべを見られる日をすごく楽しみにしてました。

 

 結果、期待を遥かに上回るりょやべに出会えました!!!!!!!!感謝カンゲキ雨嵐!!!!!!!!!

 どれもこれも最高だったのですが、仁王とのダブルス時に歌ったソロ曲がイチオシです。伸びやかで厚みのある声が全身を襲ってくる。TDCの屋根破れるんじゃないかと思った。すごい。もはや歌声を聴くというより、全身が浸る感覚といったほうが近いかもしれません。毛穴ぶち開いた。歓喜の雄叫び上げたかった。課金が足りない。好きが募る。新ミュドリライやってほしい。

 たぶん、1stの激ヤバ曲「ノープライド」の歌詞を引用している部分があり、点と点のつながりを感じずにいられませんでした。進化が加速していく跡部様……!

 りょやべ摂取するために通いたい気持ち全然あります。あと、ひとりで高校生たちの中にいるりょやべかわいいのでオススメです。

 

 そして、オタクを次々と陥落させているらしい秋沢健太朗さん演じる種ヶ島修二。

 噂に違わぬヤバさでした。

 圧倒的陽。基本的にギャルで、話すとちょいちょい語尾に「☆」を感じる。ベンチで味方へのラフな拍手よく送るし、中学生でもすごいと思ったときは隠さず感心するし顔にも出る。常に余裕たっぷりで、なんならちょっとお調子者っぽい感じもある。U―17日本代表ナンバー2の座を鼻にかけるでもなく終始自然でいて、自分のペースで過ごしている。だけど肩書き通り、とても強い。

 

 ウワーーーーー!!!!!!!種ヶ島先輩TDCにいるーーーーーーーー!!!!!!!!!!

 

 うわ、わかる……この種ヶ島は18歳にして付き合った人数いっぱいと答えるし、構ってもらえない時間が苦手な種ヶ島だ……という納得感もありました(ていうか改めてこれが公式設定なのすごい)。

 絶対にモテるしこれはリアコオタク爆発的に増加するな!?と確信。しかも、11日夜はディスタンスの日替わり挨拶?で挨拶した後投げキスしてして震えました。ウワ!!!!!!!解釈の一致!!!!!!!!この種ヶ島先輩すごい!!!!!!!(連番した友人いわく、投げキス後にりょやべ倒れてたみたいです。食らったフリするのかわいすぎる、保護)

 

 ですが!本当にヤバいのはダブルスのときのソロ曲!!!!!正直ありとあらゆる圧にやられてあんまり記憶がないんですけど、ヤバかったことは心が覚えてました。

 

 こういうキャラだし軽めの曲調かな?とやんわり予想していたんです。真田とあっちむいてホイするし「試合楽しもうや〜☆」くらいのテンションの可能性あるのではないかと。

 

 見事に裏切られました。

 えっ……なに……なんで歌い始めがウィスパーボイスなの………!?え、ウィスパーボイスでしたよね……!?囁いてましたよね……!?

 曲調も明暗で分けるとしたら暗だし、あでやかさすら感じさせる。「すべて無かったことにする」みたいな歌詞で、そういえばこの人の座右の銘「本来無一物」だったわ、と思い出しました。物事は本来空だから、執着すべきことはなにもない……一切のものから自由になってる……。技名も『已滅無』『未生無』など『無』という概念を持つものばかり。

 

 なるほど、「チャラい」と形容されそうな選手の本質を具現化するとこういうメロディーになるのね!と、+0.5の醍醐味を感じました。あとなんかすごく曲が難しそうだったような……でもめちゃうまかったんですが……!?とにもかくにも、次回はちゃんと見て聞いてきます。記憶に刷り込む。

 

 この種ヶ島先輩に白石くんを導いてほしいし、赤也くんとダブルスやってほしい。遠野先輩、君島先輩、種ヶ島先輩、白石くん、赤也くんのユニット感が好きなオタクなので、どうしても願ってしまいます……!

 本当にいました。存在してました、種ヶ島修二。全体的に強かった。一見の価値ありです。

 

 鬼と金太郎の天衣無縫を見つめる幸村しんどい!!!!!は、ただその一言に尽きます。しんどい。胸が苦しい。早くミュでもすっきりさせてあげてくれーーー!!!!!!と半泣き。

 このとき台上の仁王が、幸村の隣で興味なさそうにしてる木手の腕を持って遊びはじめなかったらつらくて落涙してました。仁王ありがとう。かわいかった。

 幸村はキャスティングされていないのでテニミュボーイズの方が演じてるのかなぁ。鼻筋が通っていてきれいなお顔だった記憶。

 

 真田の歌詞っていうのは、中学生が冒頭と締めで歌う曲のです。「勝っても負けても時代は続く」みたいな歌詞ありませんでした!? 誰!?これ真田にあてがったの!?!??!と初っ端かな気絶しそうになりました。ジャブすっ飛ばしてストレートぶちこんできた。震える。

 常勝が掟だったのに関東、全国とも苦杯をなめた代の立海テニス部副部長が歌うのは含蓄がありすぎませんか。重くて苦しい。真田はどんな気持ちで歌ってるんだろう、と気になりました。

 過去の敗戦を消化できてるだろうから、前向きに捉えたらいいと思うんです。この歌詞を歌うのは、同士討ちで幸村に惨敗、負け組の烙印を押され、崖の上で血の滲むような特訓を乗り越えてきた真田なので。前しか見てないはず。

 わたしが苦しいと感じたのは、つい最近2nd全立を見たゆえにこちらの気持ちがまだ8月にあっただけのことなんだと思います。真田はもう秋にいる。いやーーーだけど素通りせずにはいられない歌詞でした。新テニミュじゃなければ歌えない内容だよな〜

 

 ジャニオタの血がグツグツと騒いだのは2幕冒頭、君島育斗ことキミ様がバックを引き連れてポップなソロ曲を歌うところでした!

 キミ様のSummer ParadiseならぬWinter Paradiseが開演したのかと思った。芸能人だしソロコンやっててもおかしくないし……え、全然行きたいけど!? キミパラの日程いつですか!?

 

 曲中、クラップし続けて盛り上がりに貢献したいわたしと、双眼鏡で追いかけたいわたし、お手振りにお手振りを返したいわたしがぶつかり合ってもう大変!コンサートの高揚感がぶわっと身体中を駆け巡って大興奮でした。正直この曲のときだけペンラ振らせてほしい。キミ様のメンカラ何色ですか?ペンラの形はなんですか?お星さまにしますか?

 

 きゃーー!!!キミ様こっち見てーーー!!!って軽率に沸きたかった〜! 普段コンサートでうちわ持たないけど、キミ様向けにファンサうちわ作りたいし、スタトロ乗ってアンコ曲歌いながらファンサしてるキミ様に全力で向けたくなりました。でもこういうときに限ってだいたいお背中拝むことになるんだよね、わかる。

 いや、キミ様は狙い撃ちファンサじゃなくて通りすぎる一帯にファンサしそうな気もする。答え合わせしたいので新ミュドリライ横アリでやってください!!!!!

 

 そして毛利寿三郎!めちゃくちゃ!かわいい!!!!

 高校生側のベンチをのぞくたび何かしら動いてた気がします。高1だから跡部より年上なのに毛利のほうがキャイキャイしてました。キャラの違いですよね、かわいい。

 ダブルス組んでる越知のことをたびたび見上げたり、隣の君島に向かってエア金魚すくいしたり、ま〜〜〜無邪気!かわいい。視線泥棒!

 立海出身ということで三強とチームメイトだったんですよねぇ。サボり癖があって柳はよく思ってなかったことは描かれていましたけど、どんな様子だったか気になります。描かれてたっけ……? 新テニ読み返そう。

 

 処刑人・遠野篤京、ヤベーやつなんです。ヤベーやつなんですけど、憎めない愛すべきキャラクター選手権で優勝しました!

 ベンチでリョーガ、遠野、種ヶ島が並んでる様子、ただのギャル。なぜ寝そべって膝下折り上げてしまうの?自宅でゴロゴロするギャル?混乱。

 手塚にイリュージョン中の仁王がフラワーしたりしてるときに「何やってんだ?」ってツッコんでた?り、いろいろ自由な感じがあります。(中身は仁王とわかってるけど手塚がフラワーしてるのすごいジワジワきて笑い堪えるのが大変でした。仁王かわいいな〜!)

 テニスで処刑してるときは狂気に満ちてて恐怖なんですけど、お皿にボールぶつけられたとき笑かしにきてて本当に無理でした。シリアスシーンのはずなのになぜ。めちゃくちゃ好き。途中から心の中で「篤京〜〜〜!!!!!!」って呼んでたもんな。かわいい。

 

 遠野、君島はダブルスのペアを組んでて、言うなればシンメなのとてもよいですよね。ドリライでシンメ曲やってください、よろしくお願いします。欲望のレインやろう。ひらひらもいいな〜! ここまで書いて思ったのですが、普通にこのふたりのイメソン?できてもおかしくないですよね。ハァ〜〜〜すごい世界だな!!!! 仲直りした後の世界線でぜひふたりの曲ください。

 

 平等院鳳凰(お頭)対徳川カズヤは苦しかったです。ずっと苦しくて息が止まりそうでした。

 期待して目をかけてくれた鬼や入江の思いを背負ってるであろう徳川に対し、お頭がただ「義では勝てない」と切り捨てただけならあんまり苦しくなかったと思うんです。根が冷酷な人なのかもしれないと解釈できるから。(徳川の面倒を見てきた鬼、入江を「バカども」とバッサリいくのは別の意味でつらい)

 でも、徳川のことを「優しすぎる」と評してるんですよね。優しさを知らないわけじゃない。優しさというものを理解した上で捨てた人なんだと思います。お頭がU―17日本代表ナンバー1の実力を築き上げるまでの道のりが見えるから苦しかった。でもやっぱり物理的にも痛めつけて心を折るプレースタイルはつらい!

 

 「死んでも倒したい相手」に挑んでいる徳川も苦しかったです。めった刺しにされているのに、それでもコートに立つことを諦めない。蚊の鳴くような声で試合を続けさせてほしいと懇願する様はあまりに痛々しかったです。命と命のぶつかり合いは、血生臭ささを帯びながらわたしの心に入り込んできました。

 徳川は自分のために戦っているのか、他人のために戦っているのか、原作を再読してちゃんと理解したいところ……あとお頭のターンも読み返したいです。

 

 このふたりの戦いを見てセクシーちゃんたちの『GAME』を思い出しました。GAMEのような耽美さはないしライバルというのも違う気がしますが、少し近いかもしれないなぁと。というか、ふたりでGAMEを歌ってもらって、オタクを苦しみの濁流からすくい上げてほしい……!

 

 この試合に関連するのでここで話しますが、徳川が鬼、入江から与えられたものを理解し、先輩としてリョーマに与えているのもいいですよね。意図的にではなく咄嗟にという感じではありましたが、自分で動いた意味を見つけていた。

 きっとスペイン戦に出場するはず。お頭の激戦も踏まえ、そのときにどんな戦い方をするのか楽しみです!

 あと、お頭にブチ切れるリョーマくん好きです。

 

 楽しいも苦しいもかっこいいもかわいいも何でもあったビックリ箱の最後を締めくくるのは、サービスナンバー『ディスタンス』!

 タイトルからしてご時世を反映してますが、声を出せない状況下でも手拍子することで一緒に楽しめるのがすごくよかったです。愛と工夫を感じる。

 曲調と歌詞に古のジャニオタは実家感を覚えずにいられませんでした。めちゃくちゃ好きなやつーーーっっっ!!!!!!懐かしい!!!!!少クラのエンディング曲じゃんこれは!!??!忍者あたり歌っててもおかしくない。はいびーちゃんでも見たい。

 振り付け覚えて踊りたくなるし、この曲のときもペンラ振りたいよ〜! あと双眼鏡持つべきかクラップすべきか悩むタイム、またやって来てしまいました。自分がふたりほしい……!

 テニミュモバイルでずっと聞いてます。大好き、ディスタンス!

 

 そうそう、この時とくに思ったのですが、テニミュはほんっっっっっとうに目が足りなくなります!

 試合中も、試合見たいけどベンチワークも見たいし、中学生、高校生のベンチどっちも見たいし、やっぱり自分がふたり、いや、3人はほしい。

 で、ディスタンスのときはみーーんな出てきてあちこちできゃっきゃしてるから出演者分の自分がほしくなります。全員のこと見たいやろがい!!!!!!!!ハァ〜〜〜贅沢な悩みだ!!!!!つらい!!!!!楽しい!!!!!!

 あぁ、こうして人はテニミュに通うようになるんだなぁという気づきを得ました。

 

 新テニミュ、当日券あります。

 アーカイブ配信もあります。

 ぜひ一度ご覧ください!

 

 ということで、きょうも元気にTDCへいってきます!

  

 

 

 

 

 

 

 

 

「リョーマ!」に通ってみたらオタクが優しかったし、友達は幸村くんのガチ恋になったし、「テニミュ」たちを浴びることになったし、白石にまた泣いた【後編】

 「リョーマ!」に通った日々と派生した出来事をつづるブログ後編です!

 前編と「リョーマ!」に狂い始めた日々の記録はこちら。

 

ginzagin68.hatenablog.com

 

ginzagin68.hatenablog.com

 

【目次】

  • 7~20回目の鑑賞振り返り―オタクと友達が優しかった!
  • 2回目の応援上映で踊り狂うジャニオタ
  • ご褒美跡部様とビールに癒された夜
  • 友達が突然幸村のガチ恋オタクになる
  • 幸村と真田の通学路を拝む
  • テニミュドリライをかじり深夜に大興奮
  • 白石の座右の銘の変遷、よすぎて泣く
  • おまけ/ジャニーズにペンラ再利用が捗る

 では、4つ目の項目から!

 

真田と幸村の通学路を拝む

 なんとなく日々に閉塞感を覚えていた11月半ば、心を緩めたくなって鎌倉周辺へ行くことにしました。行き先を鎌倉にしたのは、立海ファンブックを読んだり、OVA立海列伝』を見たりした結果、実際に足を運びたくなったから。

 調べると先人たちのレポートがあれこれ出てくる……! 歴史! ありがとうございます!

 それらの文献を手がかりに、さっそく七里ガ浜周辺を訪ねてみました。

 

 目的地はふたつありました。まずお邪魔したのは「Bills 七里ガ浜店」。リコッタチーズのパンケーキが有名なお店です。

 ファンブックには校歌や制服、カリキュラム、年間行事予定、施設紹介などガチの学校紹介が掲載されています。そこに学校周辺案内図も組み込まれているのですが、なんとひとつひとつの店舗に立海テニス部員にまつわるエピソードもついているんです……! 全掲載店舗というわけではないですし、部員というより立海生全般のエピソードもありますが、福利厚生が手厚い……!

 その中に「パンケーキ屋:ふわふわな食感が自慢。最近できたお店で、丸井君はジャッカル君と新副部長を連れ開店日に来店。3人で全メニューを制覇」*1という項目がありました。架空のお店とはわかっているのですが、海の近くに立地していたので「Billsに行った可能性もあるかも……!?」と思い、訪問を決めたわけです。

 

 店内は天井が高く、テラス席とガラス製の窓でつながっていることもあり、開放的な雰囲気が漂います。秋の日差しにきらきら揺れる相模湾がまぶしい。男子中学生3人で来てたらかわいいな~赤也とかちょっと緊張しそう~~なんて考えながら食べるパンケーキはとてもおいしかったです!

 

 腹ごしらえをし、いざふたつ目の目的地へ! 次は、OVA立海列伝』で描かれていた真田と幸村の通学路です。どうやら七里ガ浜駅―稲村ケ崎駅間にあるそうなので、散歩をかねて稲村ヶ崎駅方面へ歩き始めました。

 店を出て、しばらく国道134号線沿いをてくてく。秋晴れの日差しが遠慮なく降り注いできてまぶしいくらいでしたが、寒くなく過ごしやすかったです。ちょうど夕方に差し掛かるころだったので、劇中で描かれていた夕暮れ時の通学路を撮れるかも……!?とドキドキしながら歩を進めました。


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 すると、途中で道が二又に分かれました。左手の道には江ノ電のレールが続いています。ここだ!!!!!!!!!

 鉄オタと思しき方々の近くを通り過ぎ、レールがカーブを描くあたりまで歩きます。

「ここだ!」

 振り返ると、そこにはわたしがOVAで見たのとほぼ同じ風景が広がっていました。


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 ううううううううううううううう……………!!!!!!!!!!!!!!!

 

 中学2年生の幸村と真田が入部当初の赤也について話した……道………………

 感激のあまり、マスクの下で唇を噛み締めるオタク。緑色の車体が走り抜けていくときにたてる、大きくて不器用な音が愛おしい……ふたりがテニスでそれぞれに感じたうれしいも、悔しいも、楽しいも、悲しいもこの道にあったのかも、と思うだけで泣きそうでした。想像力がたくましすぎる。

 OVAと同じような画角で撮り、自引きした幸村のポストカードとも撮ったところで大満足してその場を後にしました。

 ブン太とジローがシュークリームを食べた公園、赤也が朝から元気に駆け抜けた道等々はまたの機会に行けたらいいなぁと思ってます!

 

 余談。先日、大阪へ行く用事があったのでついでに四天宝寺中のモデル校の外観を見に行ったときに感じたのですが、聖地巡礼って2.5次元的動作な気がします。行間、余白を埋める作業。+0.5という視点でくくったとき、2.5次元ミュージカルとニアリーイコールなのかも、と思ったりしたので、考えがまとまるときが来たらブログを書きます。

 

テニミュドリライをかじり深夜に大興奮

 12月某日、K-POP界隈の友人たちとの集まりで雌猫の友人に「ミュージカル テニスの王子様」(以下:テニミュ)と「Dream Live」(以下:ドリライ)を見せてもらう機会がありました。わたしのハマり具合を知って「ぜひ見てほしい!」と鑑賞タイムを提案してくれたのです……! 周りのテニプリオタク優しい人しかいない。本当にありがとうございます、泣いてる。わたしにとって初めての2.5次元体験、初めてのテニミュ体験でした。

 

 2.5次元ミュージカルが興隆を極めていることは以前から知っていました。ただ、漫画やゲームにあまり触れることなく、俳優さんに入れ込むこともなく生きてきたので履修する機会がなかったんですね。

 外見からわかりやすい個性を持たせるためでしょうか、2次元のキャラクターは珍しい髪型・髪色をしていたり、瞳の色がカラフルだったりします。ミュージカルでそれを演じる生身の俳優さんを見て、髪型や化粧に違和感を覚えたりギャップに戸惑ったりしないのかな、という疑問がありました。髪型や瞳の色などはキャラクターだけど、それを身に着けている身体は俳優さん自身のもの。パーツの形や身長、輪郭などがキャラクターの図画と完全に一致するわけではありません。言葉を選ばず端的に表現するとすれば、偽物っぽさを感じてしまうのではないか、という不安を抱えていました。

 これは2.5次元ミュージカルに限った話ではありません。漫画、アニメの実写化にも同様のことが言えます。ただ、わたしは漫画を読んでから実写を見るという流れをほぼ経験したことがなかったので、前述のようなことを気にしたことがなかったんです。

 

 だから、テニミュの履修はちょっとドキドキしていました。「100%楽しめるのかな、入り込めるのかな?」。旧テニ、新テニを履修し、ファンブックまで読みテニプリの世界に浸かっているからこその不安や緊張。それらががなかったといえばウソになります。

 でも、やっぱり気になる……! 多くの人が夢中になるテニミュ、見てみたい……!

 そんな思いとともに鑑賞当日を迎えました。

 

 まずは2008年11月に上演されたテニミュ氷帝戦・東京凱旋公演バージョンから。

 

 え、リョーマかわいい……………!

 跡部様、いる………………………!

 ヘビーレイン、よすぎ……………!

 

 かいつまんで見させてもらったので全体についての話はできませんが、印象に残ったのがこの3点。

 友人いわく、このときのリョーマを演じた阪本奨悟さんは当時14歳だったとのこと! 体形だけではなく年齢にもこだわってキャスティングされているんだなぁと感動しました。ふくらはぎの細さとかが中学1年生っぽい……リョーマだ……! あとめちゃくちゃかわいい。すごい。友人と「かわいい!」を連発していました。

 

 そして、跡部景吾を演じる加藤和樹さんがとにかくすごい……!!!(語彙)

 跡部はテニス部のみならず氷帝学園全体を束ねるリーダーで、目見麗しさゆえか女子生徒から圧倒的人気を集めています。人々を惹きつける強いカリスマ性があり、一人称は「俺様」。お坊ちゃまだからでしょうか、派手好きなところも見受けられます。華美で唯我独尊、天賦の才に恵まれたキャラクターと捉えられがちかもしれません。

 

 でも、本質はそこじゃない。『努力』。この二文字にあると考えています。

 試合で相手の弱点を見抜く特技「眼力(インサイト)」は、負け続けた幼少期の経験、悔しさを糧に身につけたものです。対戦相手をじっくり観察し、どう返せば、どこに返せばポイントを取れるのか試行錯誤していった結果、洞察力が発達したのでしょう。持ち味の持久力だって一朝一夕にはいかない。寝て起きたら備わっているわけではありません。地道なロードワークの継続で徐々に高めていったものだと思います。

 「俺様の美技に酔いな」。そう宣言し繰り出す技の名前は「破滅への輪舞曲(ロンド)」と華やかで幻想的ですが、それらを下支えするのは泥くさく、地に足の着いた努力なのです。

 

 人の心を惹きつけるカリスマ性は天から与えられたものかもしれません。ですが、努力を怠らずに生きてきた自分自身や、これまでの日々に対する自信によって身についたものと解釈してもいいのではないでしょうか。跡部の自信は中身のある、根拠のある自信だと思います。座右の銘が「Adel sitzt im Gemüt, nicht im Geblüt.(

高潔さは血筋にあらず、心にあり)」というのも頷ける。

 

 加藤和樹さん演じる跡部景吾からは、キャラクターの持つこうした本質が見えたんです。存在する場所を紙の中から板の上に移しても、跡部の持つ説得力が損なわれていなかった。薄っぺらいキャラクターにまったく見えなかった。そこに感動しました。歌はもちろん上手で、顔が美しく上背もあり、存在感がある。背中から跡部景吾跡部景吾であることへの矜持が滲んでいる。すごい。「跡部様、いる……」とほれぼれしてしまいました。

 

 しかも、これも友人が教えてくれたのですが、加藤さんは今でも跡部の誕生日をお祝いしているとか……! キャラクターへの愛がすごい。それだけ思い入れを持って演じていたから跡部跡部らしさが欠けなかったのかもしれないですね。(跡部様をガチ推ししてるわけじゃないドドド新規オタク解釈なので、十数年と跡部様を慕われている方からすると幼子の手習いに見えると思いますが、どうかご容赦ください……!)

 

 そして、そんな跡部と、古川雄大さん演じる不二周助のデュエット曲「ヘビーレイン」がすごくよくて……!!!!!!

 テニミュを見て、セクシーだなぁ色気があるなぁと感想を抱くことになろうとは思いませんでした。古川さんの歌い方が繊細で、加藤さんの艶がある声といい感じにマッチしているんです。不二先輩は力強い歌い方じゃないという解釈、すごくわかる。今の人格で当時にタイムスリップしたらこれ聞くために劇場に通い詰めるかもしれません……曲調も懐かしくてなんだかすごく好きでした。欲望のレイン、雨のMelodyの兄弟かもしれない。

 

 初のテニミュに頬を紅潮させながら、お次はドリライへ……!

 2010年5月の横浜アリーナ公演を見せてもらいました。こちらも数曲かいつまんでという形でしたが、もう、大興奮。

 

 曲名を覚えてないのですが、幸村がリョーマの手か足を踏む?ような振りつけ、ほんっっっっっっとうにわかりすぎて……!!!!!

 幸村が実際にリョーマの身体に危害を加えそうな人物と思っているわけではありません(五感を奪うのが危害でないかどうかはさておき……)。勝利を懸けて戦うときの気迫をプレー以外の行動で示すとしたらこうなるよね、という納得感がものすごくあったんです。もはや宗教的と言えるほどに勝利を渇望し、五感を奪うテニスをする選手なのでそれくらい造作なさそうじゃないですか。穏やかな語り口に品のある容姿からは想像もつかないほど、苛烈なテニスプレイヤーだと思っています。コート上の幸村に情け容赦という言葉は存在しない。それを端的に表す振り付けに心を鷲掴みにされました。

 

 テニミュドリライをかじらせてもらい浮かんだ仮説があります。それは、「2.5次元ミュージカルは解釈を見る場なのではないか」ということ。

 前述の通り、視聴前のわたしはキャラクターの外見の再現性に意識が向かっていました。原作をどうトレースしているのかという見方です。

 実際に視聴してみると心の動きが違うことに気づきました。キャラクターをどう解釈、表現しているか、という点に注目していたのです。大石の触覚前髪、向日の赤紫色の髪の毛等々、2次元だからそういうものとして受け取れるのかもしれないと感じていた部分も、違和感なく受け止められている自分がいました。テニプリのキャラが作り込んだ化粧を必要としていないことにも起因するかもしれませんが、思っていたよりも+0.5によって生じるギャップを感じなかったです。

 

 それよりも、立ち居振る舞いや、声・表情の作り方、醸し出される雰囲気を重視している自分がいました。そしてその部分がテニミュドリライも隙間なく固められているように感じたのです。だから、表面的でない跡部がいると感動したし、振り付けという形で本質をあらわにした幸村に震え上がった。身体は加藤和樹さんのものであり、増田俊樹さんのものであるけれど、動作や声の調子、オーラが演じるキャラクターのそれだった。テニミュドリライを難なく受け入れ、世界に入り込むことができたのは、ここがポイントだったんじゃないかなと思います。

 

 そんなこんなで大満足の鑑賞タイムでした!

 その後、WOWOWで偶然捕獲できた運動会2019とドリライ2018を見たり、ドリライ2018の「君を信じてる~もう迷いはない」でペンラ振りながら大泣きしたり、先生に3rd全国立海戦の前・後編を見せてもらったりしました。手塚対真田、乾・海堂対柳・切原、リョーマ対幸村で苦しさのあまり瀕死の状態になり、再度この目で見なければ……と円盤をポチりました。アニメイトの会員登録をする日が来ると思わなかった!

 

 さらに、お取り寄せ期間に耐え切れず、『ミュージカル 新テニスの王子様 The First Stage』を購入しました。まさかのアニメイトの店舗デビュー! 冗談抜きで跡部対入江、毎日見てます。よすぎ。手塚のソロ、白石・切原のダブルスも好き。3rd全国大会立海含め、感想ブログを書けたら書きたいところ。ついでに先日、1st六角、関立後編、2nd全立も買ってしまいました。本当に自制心がない。

 12月に聞いた『ヘビーレイン』が忘れられずテニミュモバイル入会してしまいました。視聴させてもらったバージョンのものは配信されおらず残念ですが、歴代の『ヘビーレイン』を聞いて楽しんでいます。2ndのハモりと輪唱がとてもよい……!

 何事もなければ新テニミュに5回ほどおじゃましてくる予定です。楽しみ!

 

石の座右の銘の変遷、よすぎて泣く

 10月に書いたブログで白石の口癖に言及したからでしょうか、読んでくださった親切な方が最高の資料を教えてくださりました。

 テニプリはたびたびファンブックを発売してきたそうなのですが、その中にある「座右の銘」がファンブック刊行のたびに変化していってるというのです。えっ、何ですかそのたまらん情報……!!!! 芸が細かすぎて震えてしまう。

 

 対象は以下の通り。

 ①『テニスの王子様 40.5巻』(2007)

 ②『新テニスの王子様パーフェクトファンブック 23.5巻』(2018)

 ③『テニスの王子様20周年アニバーサリーブック テニプリパーティー』(2019)

 

 さっそく買い集めました!省スペースのため②は電子購入です。

 

 座右の銘に変化があったということは、おそらく作中での出来事に影響を受けているということ。中身を見る前に、単行本における作中の時系列とそれぞれの刊行時期を照らし合わせてみます。以下、上記3冊については作品名の前につけた丸数字で表記します。

 

  • 2007年12月4日 旧テニ40巻、①発売
  • 2018年5月2日 新テニ23巻、②発売
  • 2019年8月2日 新テニ27巻、③発売

 

 旧テニ40巻:全国大会決勝・青春学園立海大付属が描かれています。同準決勝・青春学園四天宝寺中の雌雄は決した後の話です。

 新テニ23巻:U-17W杯準々決勝・日本対フランスの試合が開始。白石が高校生の君島と挑むダブルス序盤が描かれます。

 新テニ27巻:日本対フランスの決着がつき、準決勝に向けて展開していきます。

 

 時系列をまとめたところで①~③における座右の銘の変遷を見ていき、それぞれ作中の出来事とかかわり、作用しているのがざっくり考えていきたいと思います。ネタバレします!

 跡部の解釈に引き続きまだまだ煮詰まってない部分も多いので、赤子の手習い程度に受け止めてください……!

 

 ①は「有終の美」。

 有終の美とは、最後までやり遂げ結果を残すこと。

 白石のプレースタイルは基本に忠実なことが特徴です。無駄のない完璧なテニスは作中で『聖書(バイブル)テニス』と称されました。

 基礎を固める上で大事になるのが反復作業です。一概には言えませんが、これは複数人でするものというより、ひとりですることが多いもの。漢字ドリルや算数ドリル、テニスで言えば壁打ちもひとりで行うものですよね。

 こうしたところから、他者との経験より、自己の中で完結する経験がテニスプレイヤーとしての白石を支えているのかもしれないと考えました。自己完結型と言えるのかなぁ……。反復が実を結ぶ(=実力がつき勝率が上がる)成功体験の連続が「有終の美」という座右の銘へと白石を導いたのかもしれません。

 

 四天宝寺中が全国大会準決勝で敗れたことは結果を残したといえるのか、また敗戦は「座右の銘」を変えるほどの影響を及ぼさなかったのかという疑問が浮かびます。これは、準決勝の個人成績に視点を当てることで解決します。白石はシングルス1で対戦した不二に勝っています。天才の異名をとる不二が初めて繰り出したファイナルカウンター(当時)への対策を試合しながら編み出し、結果的に白星をあげました。四天宝寺中テニス部員としておそらく最後の公式戦で勝つことができ、次のダブルスにつなげられた。だから座右の銘は揺るがなかったと考えています。

 

 こういう解釈だと白石が自己中心的なキャラクターっぽく見えますが、そういうわけではないんです。完璧なテニスを志すようになった動機が「部長としての選択やったんです。確実に1勝して仲間につなぐため」*2。チームのための、チームとして勝つための手段だったんです。作中の描写から察するに、練習メニューを立てるところから部員ひとりひとりの苦手分析、顧問の面倒まで見て、かなりの任務をこなしていました。部長に任命された2年時からチームのために時間を費やしていたことが伺えます。責任感ゆえかもしれませんが、チームを大事に思っていなければ務まらなかったような気もするんです。

 

 ただ、このときまでの白石は、プレイヤーとしてのスキルを自分自身の努力で積み上げてきたことへの自負が強かったんじゃないかなと思っています。自分のことは自分で解決してきたし、これからもなんとかするという姿勢。自分自身へのあり方へのまなざしが強かったかもしれないし、頼るっていうこともあまり知らなかったかもしれないですね。

 

 ②は「…この質問パスしてええか?」。

 新テニ18、19巻で描かれたU-17W杯グループリーグ初戦・日本対ギリシャにおいて、白石はネット越しに向き合った対戦相手のオーラに気圧されます。己が築き上げてきた『聖書テニス』では太刀打ちできないと一瞬で悟ってしまうのです。

 白石の動揺を察した高校生の種ヶ島が代わりに出場します。ベンチに下がり観戦する中で、型にとらわれない種ヶ島の『閃きテニス』にヒントを得ました。しかし、なかなか殻を破ることができず袋小路に迷い込んでしまいます。それが19巻以降の白石です。

 いわば、これまでの選手生活を真っ向から否定されたわけですから、考え方にも迷いが生じるし座右の銘もそのままで、とはいかなくなるのも理解できます。小さな島すら見えない広い海の上、たったひとりでオールを握り漕ぎ続けるような気持ちでしょうか。

 23巻収録233話「悩める白石」でも、フランス戦の前夜にたったひとりで壁打ちを繰り返す姿が描かれており、胸中をモノローグとセリフで明かしています。

 

 「駄目や…」

 『閃きテニス』言うたって…今までずっとやってきた教科書のような『聖書テニス』が身体に染みついとって…あかんわ

 「頭ではわかってるのに…!!」

 

 ベンチに座り、ラケットで左足首を痛めつける様子も描写されています。利き手ではない右手でラケットを持っていたにもかかわらず出血するほどの力を込めていたわけですから、相当追い詰められていたんですね。

 

 何を信条としよう。座右の銘が定まらないことから、白石が混迷のさなかにあることがよくわかります。また、答えられないことは嘘をついたり適当に答えたりせずパスするところに素直さや真面目さを感じました。

 後述しますが、『星の聖書(スターバイブル)』を開花させた試合でペアを組んでいたのが交渉人の君島というのが面白いですね。交渉は時に人を欺くことも必要なので、白石とわりと対にある選手かも、とふんわり解釈してます。

 

 そして③は「No man is an island.」。

 意味は「人はひとりでは生きていけない」。

 

 あああああああああああああああああああ(号泣)

 もう、これを見た瞬間胸がいっぱいになってしまいました……!

 

 全国大会時点では、選手としてのスキルを自分で磨き上げてきたことへの自信が背骨でした。それが、U-17W杯ギリシャ戦で打ち砕かれた。選手として生きてきた道が崩れ落ち、生きていく道も真っ暗で見えなくなった。自己完結してきた白石はひとりでもがき続けていました。

 そこに手を差し伸べたのが種ヶ島でした。フランス戦前日、白石が自主練しているところに偶然通りかかり、殻を破るためのヒントを提示します。以下「悩める白石」より引用。「」は種ヶ島、『』は白石のセリフです。

 

 「相変わらず小さ~く纏まっとるようやな?」

 『…え? …はい』

 「ノスケ…これがお前や」*3

 (地面に5角形を描き)

 速さ・攻撃力・持久力・精神力・技術力――5つのエレメントのバランスが良い

 模範的なテニス選手やな

 「せやけど…より大きな五角形が来たら…お前は勝たれへん ギリシャ代表のゼウスと対峙した時 お前なら感じたんとちゃうか?」

 『……!』

 「何か一つでも相手より優れたエレメントがあらへんうちは 突破口すら見いだせへんわな(略)そんで俺は…どんな打球でも打ち返せる守備力でGenius10に…そして日本代表に残っとる! ほなっ どないしょ~か ノスケは?」

 

 白石とペアを組み試合しながら生まれ変わる手伝いをしたのが君島です。きっかけは種ヶ島から「白石が自分のテニスを見つけるまででいいから時間稼ぎをしてほしい」と交渉を持ちかけられたこと。君島にもあるわだかまりが残っており手助けしてほしいことがあったため、交渉に応じました。

 大事な試合を後輩育成の時間に使うというのは、ギブアンドテイクでなければ受け入れられなかったのではないでしょうか。オーダーが発表された後だと思うので偶然ではありますが、交渉人でなければ白石は新境地へたどり着けなかったかもしれません。

 

 そして、最終的に新たな高みへと白石を連れていったのは、一緒に練習し苦楽をともにしてきた四天宝寺中の仲間たちのプレースタイル。速さに特化したいときは速さに、パワーに振り切りたいときはパワーにと、相手の返球を見極め一球ごとに能力を一点集中させることで、自分よりレベルの高い選手と互角に渡り合うことに成功しました。『星の聖書』誕生です。

 それぞれに振り切ることができたのは、普段から仲間のプレースタイルを間近で見てきたからだと238話「5つの選択肢」のモノローグで語っています。

 

 ずっと見とったお陰かな…個性の強い四天宝寺の皆のテニスをーーだから一つの能力に特化したテニスに躊躇なく踏み込む事が出来たんや

 四天宝寺(アイツら)がいたから俺は『聖書』のその先へ行ける

 

 『聖書テニス』あってこその『星の聖書』ではありますが、仲間たちがいなければそれを形にすることは難しかったと思います。

 

 このように、白石という選手がバージョンアップしていく過程を振り返ると、先輩やチームメイトといった他人の存在が不可欠だったことがわかります。他人がいたから成長することができた。もしかしたら、反復以外で明確に自分を次のステップへ導いてくれた初めての経験だったかもしれません。

 

 自己完結が悪いと言いたいわけではありません。ですが、ひとりで頑張ってきた白石が、挫折や葛藤のさなか他人を自らの内側に入れることを覚え、座右の銘を「No man is an island.」とした過程は心に刺さるものがありました。すごく好きなエピソードの連なりです。「んんーっ、絶頂!」も泣きましたが、①〜③の読み比べも泣きました。うまくまとめられないのですが、本当によい……!

 原作をぜひ読んでみてください!!!!あと先輩としての種ヶ島がかっこよすぎるので読んでほしいです。とりあえずギリシャ戦〜フランス戦だけでも……!

 もし余力があれば白石と切原のダブルスからドイツ戦ダブルス1まで、ぜひ……!種ヶ島、白石、切原、とても味わい深いです。

www.shueisha.co.jp

 

 

おまけ/ジャニーズのペンラ再利用が捗る

 応援上映に行くうちに、ペンラ芸を目にする機会が増えました。人物の動きを表したり、登場するロゴや髪型を表現したり、キンブレだけでそこまでできるの!?オタクの創造力すご!と感心しきり。わたしも何かできないかな、より一層楽しめないかな、と考え思いついたのが自宅にあるジャニーズのペンラ再利用でした。

 ジャニーズは基本的にコンサートごとにペンラが発売されます。ツアーのコンセプトを表現したものが多いため、次回のツアーでは使用しないことが多いです。また、本当にいろいろな形があります。たこ焼き、剣、ダイナマイト、銃、ひまわり……コンセプチュアルなものばかり。なので、次のツアーでは使わないことが多いんです。

 役目を終え、スヤスヤ眠るペンライトたち。きみらが再び活躍するときが来たよ……! そんなことを考えながらグッズケースを開き、いくつか選抜して持っていったので紹介します!もし同じペンラ持ってる方いたらぜひ使ってみてください!(?)

 

★oneST/SixTONES


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 黄色く光る球体!?テニスボールじゃん!!!!!!

 メンカラに黄色があってよかった。自担グループありがとう。

 テニスボールが出てくる場面で大体使えます。リョーマがギャングにテニスボールぶつけるシーンやタイムスリップ後にテニスボールがバウンドするシーン、ヘリから大量のテニスボールが落ちてくるシーンなど、大活躍でした!

 

★GR8EST/関ジャニ∞


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 レインボーに光るガラガラ。ちびリョーマに母性止まらなかったので、りびリョが出るたび振ってました。ギャングに張り手食らわされて倒れてる倫子さんの横で号泣してるときは「リョーマちゃん;;こわかったねぇ〜〜〜〜;;」の気持ちでゆらゆら。

 中1リョーマがSelly's barに出向いて客から「ママのミルクは置いてねーぜ」とからかわれるときもフリフリ。

 母人格もしくは祖母人格を持ってる方にオススメです!

 

★King&Prince Concert Tour 2019/King&Prince


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 王冠がついてるハートなんて、それはもう振る先はひとりしかいないじゃん!!?!?!しかもKing、完璧すぎ。

 氷帝の青というより青学の青だな〜と思いつつ、初回はこれで出向きました。

 

★NU'EST公式ペンライト

 「NU'EST」というK-POPグループのペンラもGloryでめちゃくちゃ活用しました。(K-POPはジャニーズと違ってコンサートごとにペンライトが作られないので、現場があればオタクたちはこれを持っていきます)

 
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 見てください!!!!!色、形とも氷帝向きじゃないですか!!??!?!!?!!

 水色のハート、これは跡部様に向けて振るしかないやつ……!!!!Glory2回目くらいから毎回持っていってました。NU'ESTの現場じゃなくてリョーマ!の応援上映がこのペンラのデビュー戦になったのうける。


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 青学の青というより氷帝の青ですが、ピンクと水色でリョーマと桜乃にも見えますよね〜かわいい!


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 青学にも使えるし、四天宝寺にも使える……めちゃくちゃテニプリ向きペンラでは……!? 好きと好きの組み合わせ、楽しい。

 

 

 ここまで「リョーマ!」ドハマりしてからの日々を振り返ってみましたが、バイクに跨って全速力で駆け抜けた気持ちです。楽しかった〜!それにこれからまだまだ楽しめる!うれしい〜!!! 今月は氷帝day、立海dayと題した応援上映が実施されます。詳細はこちら。

gaga.ne.jp

 

 今になってまさかテニプリにハマるとは、アニメイトデビューするとは、等々いろんなまさかの連続でしたが、この年齢になっても強烈な好奇心に突き動かされることってあるんだな〜といい発見ができました。それに、2.5次元というレイヤーが生まれたのも収穫でした。

 

 そして、僭越ながらいろんなキャラクターについての解釈を綴ってきましたが、本当に新規のふんわりしたものです。ご容赦ください。

 このキャラがテニス界の自担!!!!と決まったわけでもなく……推し校が明確になったわけでもないので……本当にふわ〜っと追いかけてます。みんなかっこいいしかわいいし、すくすく育っていってほしい~

 「テニプリにハマった」と話すとだいたい「誰が好き?」「どこが好き?」と聞かれるけど答えられない……絞れない……!

 テニプリのキャラはみんな魅力的なので見ていて楽しいです。解釈が定まらなかったりもしますが、ずっと読み終わらない本みたいでよい。まだまだ知らないことがたくさんありますし、何より本編が熱いのでしばらく併走させてもらおうと思います!エンターテイナー許斐先生に感謝。

 この4ヶ月で思ったのは、許斐先生が一番にキャラクターたちを愛し、作品を大切にしているからこんなにも魅力的なんだということ。読者を楽しませたいという思いもあるでしょう。でも、それ以上に先生が楽しみながら描かれているんじゃないかなぁというのを、さまざまなメディアを介して感じました。だから、追いかけるというより一緒に走るという感覚に近いのかもしれません。許斐先生は神様なので、こんなこと言うのはおこがましいですが……。

 新テニもついに決勝。完結もそう遠くないのかなぁと、生まれたてのオタクは寂しくもあります。でも、いったんそれは置いておくことにして、一緒に楽しませていただきたいと思います。

 リョーマ!を初鑑賞したあの日から今まで以上にいきいきしてます。テニスの王子様、知ることができてよかった!

 

 では、テニミュ観劇デビューしてきます!

 

*1:立海大付属中学校テニス部ガイド STRENGTH』p.11

*2:③ p.23

*3:白石蔵ノ介という名前なので種ヶ島は「ノスケ」と呼んでいます

「リョーマ!」に通ってみたらオタクが優しかったし、友達は幸村くんのガチ恋になったし、「テニミュ」たちを浴びることになったし、白石にまた泣いた【前編】

 「リョーマ!」も劇場では見納めか……と、寂しさや喪失感を覚えながら劇場に足を運んだ2021年12月31日は記念すべき成人式でした。わたしのではありません。「リョーマ!」鑑賞人格のです。リョーマに行ったらリョーガが来た。


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 たいていひとりで参加していたのですが、この日は心強い味方がいました。「リョーマ!」きっかけでとある人格を飼い始めたジャニオタの友人です。鑑賞前に立ち寄ったレストランでピザの具材半分をうっかり床に落とした後、「跡部様拝んで厄を落とそう」と意気込んでいました。ここで跡部様を思い浮かべるの、頼もしくて本当に好きだった。

 初めて「リョーマ!」を鑑賞したのが2021年9月29日。3か月前には想像もしていなかった光景だなぁと妙な感慨に耽りながら、キンブレ数本といくつかのペンライトを詰め込んだバッグを肩に掛け、熱気渦巻く現場へと向かいました。

 

 10月にアップしたブログで「たぶん8回目もいきます……」などと謎の謙虚さを発揮していたわたしですが、8回どころじゃなかった。20回も行ってしまった。猛者に比べたら赤ちゃんだけど、それにしてもこわい。なぜ。自分が自分でもわからない。非オタの友だちに回数クイズを出すとだいたい10回未満の回答にとどまるし、答えを言うと鑑賞代を計算される。そうだよね、わかる。わたしもまさかこんなに通うと思わなかった。そしてオタクはお金使った瞬間にすべて忘れるから累計金額とか気にしてないのよ。

 

ginzagin68.hatenablog.com

 

 このときからドハマりする予兆はありましたが、まさかここまで突き進んでしまうとは……。いろいろと急激にのめり込んでいったことはありますが、3か月も強火の熱狂が続いた経験は初めてだったように思います。ブログ記事のタイトルが長くなってしまうほど楽しいことがたくさんありました!

 「リョーマ!」に通ったときのことはもちろん、そこから派生した出来事も含めいつか読み返したらおもしろそうなので、記録として残すことにします。書いたら長くなったので前・後編に分けます。

 

【目次】

  • 7~20回目の鑑賞振り返り―オタクと友達が優しかった!
  • 2回目の応援上映で踊り狂うジャニオタ
  • ご褒美跡部様とビールに癒された夜
  • 友達が突然幸村のガチ恋オタクになる
  • 幸村と真田の通学路を拝む
  • テニミュドリライをかじり深夜に大興奮
  • 白石の座右の銘の変遷、よすぎて泣く
  • おまけ/ジャニーズのペンラ再利用が捗る

 

7~20回目の鑑賞振り返り―オタクと友達が優しかった!

※丸数字は鑑賞回数

10月17日 Glory⑦

  20日 Decide⑧

  22日 Decide応援上映

  29日 Glory応援上映

11月4日 Glory⑪

  6日 Glory⑫

  19日 Decide応援上映

12月2日 Glory応援上映

  3日 Decide応援上映

  10日 Glory応援上映

  15日 Decide⑰

  16日 Glory⑱

  23日 Decide応援上映

  31日 Glory応援上映

 

★友達が意外と見に行ってくれてハッピー!

 7回目にして初めて友人を連れていきました。まずは同世代のジャニオタふたり。

 ひとり目:高校時代かな?にテニミュの空耳が流行っていた。曲を知ってる

 ふたり目:小学生くらいのころにテニプリ見てた。そのときは四天宝寺が好き

  ふたりとも楽しく見てくれてうれしかったです! 鑑賞後はいろいろつっこみを入れてくれてにこにこ。ふたり目の子は「もう一度テニプリ履修しようかなぁ」とぽつり。フラグだったとは……!

 

 12回目は高校時代の友人と。テニプリは小学生のころ読んでいたので、ある程度はキャラを知っているとのことでした。

 ジャニオタふたりもそうだけど、みんな初期のわたしより全然土台があって驚きました。大学時代の友人たちに勧めたときも「小学生のとき菊丸好きだった~」と言っていた子がいたので、わたしたちの世代って子どものころ何かしらの形でテニプリを通った人が多いんだなぁ、と今さらの気づきを得ました。逆に全く通ってこなかったわたしは一体何? 化石? 寝てた? ジローなの? ジローといえばOVA「ジローの目覚め」かわいいのでおすすめです。

 本編が始まり「Dear Prince」でモブが踊り始めた瞬間勢いよく隣のわたしを見て、「待って」と小声で発した友人。驚きと戸惑いが手に取るようにわかってマスクの下でにまにま。わかる、9月のわたしもそうだった。

 終わってから放った「手塚ってああいうこと(せかてきの「俺たちがついているから」の振り付け)するキャラだっけ!?」が面白かったです。たぶん違う。

 「これはたしかに原作履修したくなるね……」と10月のわたしに理解を示し、ネトフリでアニメ配信中ということを伝えると「とりあえずアニメ見るわ」と電車に乗り込んでいきました。

 

 また、一緒には行けなかったのですが、大学時代の友人のひとりが旦那さんと見に行ってくれて感動でした! しかも長い感想まで送ってくれて……ありがとう……!(わたしはリョーマ!の何?)

 

テニプリ好きな人が優しかった!ピース!

 9回目の鑑賞でついに手を出した応援上映。テニフェスの曲たち絶対振り付けあるし、何もわかってないドドドド新規が応援上映に参加していいものか……とためらう気持ちも多少あったのですが、好奇心には勝てませんでした。

 キンブレは持ってなかったので、ジュニア時代のキンブレ型ペンラをトートバッグに詰め込んでいざ出陣!もちろんひとりです。

 

 着席すると不安な気持ちがわいてきました。何かルールとかあるのかな……飛び込んでみたはいいものの……とそわそわ。いてもたってもいられず、隣の方に話しかけてみました。

「あ、あの、応援上映初めてなんですけど、しきたりとかってありますか?」

 今思えば、いきなり話しかけるなんてただの不審者ですよね!? 「誰?」だし「何?」すぎる。にもかかわらずテニプリのオタクは優しかった……!

「特にないですよ~みんな思い思いに手を動かしてます(ニコニコ)」

 よ、よかった~~~~~!!!!!!!!

 ダブルの意味でほっと胸を撫でおろしたわたしに、隣席の神様はさらに優しい一言をかけてくださりました。

 

「ペンライト持ってますか?」

 

 ぎええええ~~~~~~!!!?!??!?!?!?!

 優しすぎませんか!?!?!!??!?!?!!?

 現人神!?!?!!??!!?!!??!!?! 

 

「あっ、持ってます!!!!」

「わかりました(ニコニコ)」

 

 や、や、優しい…………………………(号泣)

 

 神様のようなテニプリオタクさんのおかげで不安が一気に吹き飛び、晴れやかな気持ちで応援上映デビュー戦を迎えることができました!このブログが届くことはないと思いますが、あらためてありがとうございました……!あなたさまの温かさにより、テニプリ赤子の命がひとつ救われました。

 

 10月にブログを書いたときも思ったのですが、テニプリファンの方ってみなさんあたたかく新規を迎え入れてくれますよね。前回のブログを読んで「これおすすめです」「お好きだと思うのでぜひ!」とリプライくださった方がいたり、テニプリにおけるわたしの先生もいろいろと手ほどきしてくれたり、なんだか出会う方みなさん優しいしあたたかいなぁとほっこりしっぱなしです。

 

 長い歴史を誇るテニプリという巨大ジャンル。縦軸はもちろん、コンテンツの幅という横軸もすさまじく、読んでも見ても終わらず汗をかいています。途方に暮れそうにもなりますが、そうした方々のおかけで楽しく履修を続けられているのかもしれません。

 

 これは項目立てるほどのことでもないのですが、11月19日の応援上映は直前になってもひとりもチケット買ってる人がいない劇場で見ました。誰もいないのは「リョーマ!」に申し訳ないという謎の正義感に突き動かされてました。そこそこ広い劇場内でひとりでペンラ振ることはもうないでしょう。貴重な経験でした!

 

2回目の応援上映で踊り狂うジャニオタ

 公式から挑戦状が送られれてきたのは10月下旬。動画に気づいたとき、教科書が供給された喜びと同時に緊張がわたしの体を駆け巡りました。

 

youtu.be

youtu.be

 

 初めての応援上映が楽しかったのと「チャームポイントは泣きぼくろ」でペンラ振りたい欲がぶち上がっていたので、29日の「Glory」応援上映に行くことは決めていました。

 

 新規はテニフェス曲の振り付けもわからないし、せめてこの2曲を覚えていくしか……!!!!そうじゃないと「リョーマ!」に顔向けできねぇ!!!!!!

 

 そう思いとりあえず2曲とも見たオタク、即撃沈。

 

 むっっっっず!!!!!!

 細かい動きが!!!!!!多い!!!!!!!

 特に「世界を敵に回しても」!!!!!!!!

 ジャニーズの振り付けより覚えづらい!!!!

 おわった!!!!!!!!!

 

 ハードルの高さに赤子はうなだれました。そんなとき、脳内の桃城が空高く飛びながら叫んだんです。

 

 やらないわけにいかねーよなぁ、いかねーよ!!!!!!!

 

 ダンクスマッシュが心の奥底にドーーーーーンと突き刺さる。風圧で弱気な考えは吹き飛びました。

 だよな、やるしかねぇわ。

 気持ちは海堂。ジャッカルにスネイクを返されたって「やっぱ俺にはコレしかねーか……」とラケットを振り抜きショートスネイクを繰り出した関東立海戦……! オタクもそうなんだ、やるしかないんだ。

 

 当日まで残り2日、覚えやすそうな「Dear Prince」から取り掛かりました。覚えられた!という成功体験がほしかったんです。歌詞と動きをつなげることを意識したら案外早く覚えられました。

 それからはとにかく「世界を敵に回しても」との戦いです。通勤電車ではゲームやってるふりして親指を動かし振り付けを体になじませ、家では先生の動きを目に焼き付け、途中からは画面下にある作品の映像を見て振り付けとシーンをリンクさせ、とにかく反復練習を続けました。なりふり構っていられない。必死。

 

 応援上映当日になんとか完成! 向かった現場は満員御礼の札かかるんじゃないかっていうくらい人がたっっっっっくさんいて「ヤバイところに来てしまったーーーーーーーー」と上映前から瀕死。左隣の方、50回?60回?とか見に行ったってお話されてる……ガチもんの猛者の隣で半端な真似できねぇ……やばい……やれんのか、わたし……やれんのか………!?!?!??!

 アイドルとのテレビ電話でも緊張しなかったのに応援上映でドキドキする日が来ると誰が想像しただろうか。一方で「っしゃオラァ!!!!!やったるわ!!!!!!!リョーマ!の盛り上げに貢献したる!!!!!!!」と謎のやる気に満ちあふれるわたしもいる。感情のジェットコースターが乱高下。

 意を決してペンラを握りしめました。にじむ手汗、湧き出すアドレナリン。いざ!!!!!

 

 予告が終わり、跡部様のアナウンスが流れてからはあまり記憶がありません。ただ、楽しくて仕方なくて踊り狂っていました。

 ラップバトルやデンジャーゲームではペンラをブンブン振り、ピスマも見様見真似で踊り、ラブフェスの振り付けも入れていったのでそれも踊り、泣きぼくろでは思う存分ペンラを振り跡部様の存在に感謝し、レーザービームでぶち上がり、締めのせかてきも踊り、とにかく無我夢中でペンラを振り踊り狂った100分間。劇場内の照明が灯るころには額から一筋の汗が流れていました。

 

 そこでハッとしたんです。もしかしてわたしの動き、邪魔すぎ……!?

 慌てて両隣の方に謝りました。すると、逆に褒められてしまったんです。「振り付けうまいですね!」と。話してみると右隣の方も20回見に行っている猛者でした。褒めてくれる猛者たち、あたたかすぎない……!? そして、リョーマ応援上映の盛り上がりに少しは貢献できたんだ……!とうれしくなりました。振りの難しさを共感しあえたのも楽しかったなぁ。

 

 帰り道も途中までご一緒させてもらい、好きなキャラの話などをしました。テニプリファンの方と実際に作品やキャラについて話すのは初めてだったので、ひとつひとつが新鮮で心躍って仕方なかったです。話を聞いてもらうのも、話を聞かせてもらうのもとってもワクワクしました。オタクってこういうことだよなぁ、と意図せぬところで原点に立ち返ったような気持ちもありました。好きとか楽しいとか、それだけでいいんだよね。それが一番大切!

 

 また、この方は再燃した方だったようで、テニプリの歴史の長さを思わぬところで感じました。一度離れてもまた戻ってこられるジャンル、新参者でも受け止めてくれるジャンル。テニプリ、本当に懐が深い……!「テニプリが実家」と話すオタクの気持ちが少しわかったような気がします。オタクとして生まれ育った場所というだけでなく、帰れる場所、帰りたくなる場所でもあるんだろうなぁ。

 

ご褒美跡部様とビールに癒やされた夜

 仕事がまぁまぁ忙しく精神的疲労を感じていた10月。これじゃ萎れる!!!!!乗り切らねば!!!!!!危機感を抱いたわたしは、密かなご褒美を翌月にぶら下げることで無事10月を乗り切りました。

 11月、解放されたオタクがひとりで向かった先は映画館。自分で自分に与えたご褒美、それは「ビールを飲みながらGloryをキメる」ことでした。リョーマ!を浴び、跡部様を鑑賞しながら飲むビールはめちゃくちゃおいしいのではないか……!? という期待から生まれた発想でした。

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 はい!!!!!!!!

 着席して一口ごくり。キリリと冷たい苦味は、渇いた喉を勢いよく滑り落ちていきます。

 はぁ、うまい!!!!仕事終わりの1杯って最高〜〜〜〜!!!!!!!

 すでに楽しくなってしまったわたしは、思い出したかのように特典のポストカードへ手を伸ばしました。そういえば未開封だった。銀色の袋をそっと開け、折り曲げぬように取り出します。誰かな、わくわく、ドキドキ…………!

 

 描かれている人物を見た瞬間、思わず天を仰ぎました。

 脳を支配したのは「神」の1文字。

 


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 跡部様!!!!!!!

 

 テニス界の自担というわけではないのですが、跡部様を見ながらビール飲みたいな〜と思い足を運んだ回で跡部様がいらっしゃったという奇跡に、胸が高鳴りっぱなし。静かに大興奮。疲れた社会人オタクの心を即座に癒してくれる跡部様すごくないですか!? 信仰心がストップ高

 跡部様は推す推さないという次元にいないんです。もはや縁起物。カリスマの具現化。当たり前のように担がせていただきたい存在。

 始まる前から最高になってしまいましたが、本編見ながらのビールも最高でした。10月の疲れが一気に吹き飛んだからやっぱりすごい。

 跡部様といえば応援上映のとある回、イメビシーンでおみ足と寝返りに拍手が起きて雌猫さんたちの訓練されっぷりに震えました。強い。好き。

 

 余談ですが、12月の通常上映最終回も飲みながら見ました。その日は千石くんのポスカがやってきたのですが、状況説明が最高によすぎて一気飲みするかと思った。危ない。

 リョーマ!とお酒の相性、抜群です。

video.unext.jp

 

友達が突然幸村のガチ恋オタクになる

 今でも覚えています。昨年11月半ばの夜、友達から届いたLINEを。

 

幸村くんにガチ恋してテニラビ廃人してる

 

 差出人は10月17日に鑑賞したリョーマ!をきっかけに「もう一度テニプリ履修しようかなぁ」とこぼしていた友人でした。大晦日の応援上演にも同行してくれた友人でもあります。

 仲間内では初動の早さに定評があります。映画鑑賞後、即座に『テニスの王子様』(以下、旧テニ)を全巻購入、11月頭には『新・テニスの王子様』(以下、新テニ)既刊を全て揃えるという勢いのよさ。さっそく事情聴取しました。

 聞けば、新テニで幸村に落ちたとのこと。

 

「新テニ読んで幸村くん好きにならない人いるの?」

 

 うおおおお!!!!!!!!! 過激派だ~~~~~~~~!!!!!!!(歓喜)(テンションが過激派のオタクを見るのが楽しい)

 

 たしかに、新テニでは幸村についてしっかり描かれています。真田と出会った幼少期、テニスプレイヤーとしての原体験、病気のこと、全国大会決勝での敗戦を乗り越えたドイツ戦……。

 具体的なエピソードはキャラクター像を形成したり、多面的に捉えたりする手掛かりになります。バックボーンがわかると共感ポイントが増え、思い入れも生まれてくる。それが青学に振り切っていたのが旧テニ、他校や主要な高校生にも広がったのが新テニというのが個人的見解です。

 わたしも新テニを経て青学以外のキャラクターに対する愛着を深めたひとりなので、友人の意見には同意できました。

 

 ただ、その結果「ガチ恋」になって「テニラビ廃人」になったのが勢いありすぎて本当に好き! あっという間に原作履修したと思ったら「好き」をすっ飛ばして「ガチ恋」になるの、感情の時速がとんでもない。しかも、「新テニ読んだら幸村くんのこと全人類が好きになる」といわんばかりのテンション、最高すぎて。全力で幸村のことを信じている。愛じゃん。

 

 リョーマ!鑑賞後にDecideを履修してくれたときは「エメラルドライン」や「go on」で泣くわたしの気持ちがわからないと話してたのに、すっかり泣くオタクになったとのこと。大晦日応援上映前にも「幸村の女として、『さ、ほら』のとき全力で振る」と決意表明していました。立海ってストイックで強いオタクの集まりなんですか? それとも立海のオタクになるとストイックで強くなるんですか? すごい。好き。

 テニラビは幸村に全振りしてるらしいです。猛者たちのすごさがうかがい知れるエピソードも聞いて震えました。新テニミュも連番してくれることに。一緒にハマれるのうれしい〜!

 

 ちなみにテニラビおすすめされてるのですが、こわくてまだ始められていません。最初にSSRのカード1枚選べるのがハードル高い……コンビ厨なので選べないです……。インストールはした。

 

 

 前編はここまで!

 長くなったので、聖地巡礼テニミュドリライ体験、白石の座右の銘変遷に泣いた話は後編でお伝えします。よろしければ!

 ではでは〜

 

テニプリほぼミリしらだったジャニオタが「リョーマ!」を浴びて狂った結果「んんーっ、絶頂!」で泣く

 幼少期から根っからのジャニオタで、学生時代はジャニーズを追うのに必死だったから漫画をほとんど読んでこなかったんです。
 「テニスの王子様」について知ってることといえば、主人公が越前リョーマ跡部様という人が人気、テニスをする話の3つくらい。どれくらい知らないかというと、「青学」は「アオガク」、登場人物はみんな高校生だと思ってたほどです。
 
 そんなジャニオタのわたしが、ひょんなことから「リョーマ!The Prince of Tennis 新生劇場版テニスの王子様」を浴びてみた結果、驚くほど狂ってしまいました。本当に困ってます。ちなみにもう6回見に行ってしまいました。7回目も行くことが決まっていて、たぶん8回目もいきます……。
 
 ジャニオタのわたしが己の知ってる感覚に置き換えて「リョーマ!」を説明するとしたら「ハッピーな気持ちになれる実演付き映画少年たち〜ジャニアイとフリースタイルダンジョンの香りを添えて〜」です。
 
 ジャニーさんの作る舞台が恋しいジャニオタに超超超超超絶オススメ!!!!!!!
 
 初見時の感想「なにこれ……この感じ、めちゃくちゃ懐かしい……(号泣)」なので!!!!!!
 オタク特有の誇張表現あんまり得意じゃないですが、ぽっかりと開いた心の穴を埋めてくれる可能性、1000000%です!!!!!!!
 
 「リョーマ!」は目と耳から摂取するエナジードリンク。作品自体の持つパワーがビシバシ伝わってくるので100分で充電完了します。
 「リョーマ!」は通える現場。これこそ「コンビニ感覚」で行けます(cf.神宮寺勇太)。
 
 「テニスの王子様というマンガの映画」ということだけ知ってれば大丈夫です。あらすじすら読まず行きましたが、それでも問題なく物語を楽しめました!
 むしろ前情報を何も入れずに劇場へ足を運んだほうが、より一層“浴びた”感覚を得られるかもしれません。ソースはわたし
 
 そして、現場等で「考える行為が意味をなさない」経験をしているジャニオタならスクリーンの中で起きるすべてをすんなり受け入れられます。むしろ「なんで!?」という混乱を楽しめるはず。そしてやっぱり懐かしい。
 なので、ぜひ!!!!!!!
 
 以下は沼落ち経験の覚書です。感想パートからはネタバレ含みます。
 

【目次】

  • わたしの過ごしてきた2週間
  • リョーマ!」とは
  • 初鑑賞に至った経緯
  • 1回目 Decide(旧テニ、新テニ未読)
  • 2回目 Glory(旧テニ済、新テニ序盤まで)
  • 3回目以降
  • さいごに

 

わたしの過ごしてきた2週間

9月29日 「リョーマ!」Decide編初鑑賞
  30日 「テニスの王子様」読み始める
10月5日 「テニスの王子様」全42巻読了
  6日 「新テニスの王子様」読み始める
  7日 「リョーマ!」Glory編初鑑賞
  10日 Decide、Glory編鑑賞
  13日 Glory編鑑賞
  14日 「新テニスの王子様」既刊34巻読了
  15日 Decide編鑑賞
 

リョーマ!」とは

 原作者・許斐剛先生が「テニプリに一度でも触れたことのある方、そして初めての方々やご家族でも楽しめるように*1」と愛を込めて製作総指揮を執られた親切設計の3DCGアニメ映画。
 前提知識がなくてもストーリーを理解でき楽しめます(めちゃくちゃ大事ですよね)。家族の物語に冒険物語が絡んでくる感じなのでわかりやすいです。
 テニプリの赤子でも心置きなく飛び込める環境がそこに!
 
 そしてこの映画には「Decide」「Glory」の2パターン存在します。パターン間の違いは2つ。
 
①カギを握るシーンの登場人物
 同一シーンでDecideには青春学園中・手塚部長、立海大附属中・幸村部長が、Gloryには氷帝学園中・跡部部長、四天宝寺中・白石部長が登場します。
 それぞれのシーンがパラレルとして進行していきます。この場面はキャラクターの性格や関係性が表れていておもしろいです。
 
②セトリ
「ん?????映画でセトリとは??????」
 
 その感覚、大正解です。
 でもあるんです、正真正銘のセットリストが。
 
 「シアター☆テニフェスpetit!」なるものが、エンドロール後に始まります。そこで流れる曲が違うんですね。最初と最後の曲だけは一緒です。2018年のサマパラみたいなものです。
 これについては感想部分で詳細を書きます。感情大爆発パートなので……!
 
 
 とにかく景気よくなりたい!という方には「Glory」がオススメ!
 これは跡部祭です。イメビが流れてくる。そして、言ってることがかっけーです。跡部様が跡部様たるゆえんが伝わってきます。本当に14歳……?????
 あとセトリがわりとジャニオタ好みな気がします。四天宝寺の曲は少クラin大阪で聞いた。跡部様の曲でペンラ振りたい、合いの手入れたい欲がメーター振り切れて劇場の片隅で震えてしにそうでした。圧倒的現場感。「Glory」はとにかく祭!という印象です。応援上映行きたすぎる。天井席(天井席?)の隅っこで先輩たちの動きを見ながらペンラ振りたい……!
 
 エモーショナルな感情になりたい!という方はぜひ「Decide」を!
 原作未履修でもリョーマと青学レギュラー陣の絆をうかがい知ることができ、胸が熱くなります。履修後に見たときは新品のスポンジ並みにひたひた染み入ってきて泣きました(青学最高だよ……うっうっ……)。履修前後で味わい方が変化する、一粒で二度おいしいやつです。
 また、セトリがキャラクターのソロ曲で構成されてるのでそれぞれの歩んできた道のりに思いを馳せることができます。原作中の名場面がスクリーンに映し出されるので、彼らのこと全然知らないのに「この子はこんな感じの経験をしてきたのかな……?」と想像してうるうる。履修後の状態はお察しください。
 
 

初鑑賞に至った経緯

 「リョーマ!」を知ったのは、複数ジャンルで相互さんがおすすめツイートをしていたのがきっかけでした。そして、なにかのきっかけで「リョーマ!は話の筋がわかる少年たち」というツイートを見たんですね。
 
 参考までに、わたしは2019年に公開された「映画少年たち」を15回見に行きました。ストーリーというより、鑑賞時の浴びてる感覚にドハマりしてたんだと思います。ストーリー自体は重たいですけどね……実在する人物をベースにキャラクターを作り上げてるので。冒頭8分間のワンカメショーはいろいろな意味で必見です。笑ってはいけない少年たちを覚悟した初回上映時が懐かしい。
 
 こんなふうに、まぁまぁ通うレベルにはハマっていた映画に似通った部分があると知って興味が湧きました。
 
「最近トンチキ足りてないな~」
 
 ぼんやり浮かんだこの考えが決め手となり、思い立ったが吉日、あらすじも読まずにすぐチケットを取りました。
 
 次からは見たときの感情を基本的にそのままつづっていきます。ネタバレします!!!!!!!!
 
 ここまでで興味が湧いた方、もしいらっしゃったらお近くの劇場で公開中がぜひ確認してみてください。上映開始から1ヶ月半経過しているので、なるべくお早目に!
 
 

1回目 Decide

 驚きは冒頭のアナウンスから始まりました。
 
 「青春学園中等部テニス部部長、手塚国光です」……???
 
 えっっっっっっっっっっっっ
 テニプリって中学生の物語なの!!??!!?!!?!
(追記2021年10月20日/きょう見に行ったら、たぶん「青春学園テニス部部長」と言ってましたね……!?「青春学園中」に聞き間違えたか、Decide初鑑賞の翌日に旧テニ読み始めたのでそこらへんの記憶が混ぜこぜになった可能性があります……おそらく前者……間違いを記載してしまいごめんなさい!また見に行ってちゃんと確認してきます!)
(追記2021年12月4日/先日追記してから何度か見に行って確認しましたが、「青春学園テニス部部長」と言っていましたね……!訂正させていただきます。誤った内容を記載してしまい申し訳ございませんでした)
 
 「シアター☆テニフェスpetit!」って何……??????
 何が起きる…………?????????
 
 驚きと疑問を解消できぬまま本編が始まりました……!
 
 質感がリアルだな!?(3DCGということを知らなかった)
 ん?????? モブが踊り始めたんだけど!?ソーシャルディスタンス保ってるのすごいジワジワくるっていうか青学って包帯グルグル巻きのキャラがいるの……!?えっ ふつうのスポーツ漫画だよね……???????バトル系漫画………???????
 いやテニスボール割れる~~〜〜〜〜~~!??!?!!
 それ打ち返すしそれも打ち返してなんかひとつになったんだけど~~~〜〜〜~~!??!?!?!!?!
 
 そもそもこの試合が一体どんな試合なのかわかんない……単なるオープニングムービーで本編とは関係ないのかな……
 でも、歌って踊ってテニスしてっててんこ盛りでわけわからん感じ最高に楽しい懐かしい~~~~~~(歓喜)(号泣)(興奮)
 
 冒頭の「Dear Prince~テニスの王子様達へ~」からエンジン全開フルスロットル。中毒性が高い。刑務所で歌って踊って唐突にダサフォントが登場してきた少年たちの冒頭8分間ワンカメショーがだいだいだいだいだいすきなわたしの全細胞が歓喜に沸きました。
 
 リョーマとギャングたちがラップバトルを始めたシーンでじわじわきて、テニスボールとテニスボールがぶつかってビッグバンを起こし、無数のテニスボールが飛び散り銀河系の外に出たシーンはマスクの下でついに笑ってしまいました。隣に人がいなくてよかった
 
 父・南次郎のプレーを見てリョーマが歌い始めるシーンでは、少年たちで入所理由を聞かれたジュンが突然歌い始めたシーンを思い出しました。なるほど「リョーマ!」はミュージカル映画なんだな!!!!とここで理解(遅い)
 
 ほうきでテニスボール打てるの!?!?!
 
 とか
 
 リョーマとさくのちゃんが星空の中に飛んで行ったのはわかるけど(わかる???)ネコの目がばーーーーーんと空に浮かんでふたりを見つめてるのシュールすぎておもろい
 
 とか
 
 ギャングに捕らわれてるしやむを得ないかもしれないけどそれ普通にただの事故!!!!!!え、無傷!??!!?!!よかったけどまじか!!!??!!ギャングはナイフを右手に持ってたけど大丈夫なの!?!??!!「まだまだだね」じゃないのよwwwwww
 
 とか、いろいろありました。
 
 中でも最も衝撃的だったのは、事故を起こしギャングの車からさくのちゃんと逃げ出したリョーマが電話ボックスで南次郎に電話をかけるシーンです。
 
 最初は幸村に電話がかかりました。冒頭でリョーマと試合していた人と同一人物だとわからず、ふつうに「なんかすごいきれいな人出てきた……お花似合いすぎ……」と感心。
 
 そしてもう一度かけた電話は部活中の手塚につながります。レギュラー陣がグラウンドでランニングしているのですが、そこにも包帯グルグル巻きのキャラがいて視線泥棒でした。あの子はなぜ包帯グルグル巻きなんだ……と思っていたら、悩み爆発のリョーマが電話ボックスを飛び出します。
 
 その先にはテニスコート、そして手塚率いる青学テニス部レギュラー陣の面々が。リョーマは全員とラリーをします。手塚はリョーマの背を押す言葉を送るとすーっと消えていき、リョーマの意識も現実世界に戻る……とこまではよかったんです。
 問題はその直後。
 
 えwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
 リョーマが電話ボックスの上にいるんだけどwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
 なんでwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
 
 わけがわからない
 
 電話してたじゃん!!?!?!?!?!
 ていうかどうやってのぼったのよ!??!??!?!
 さくのちゃんの「見つかっちゃうよぅ!」で完全にノックアウト
 上にいること自体にはつっこまんのかい!!!!!!!!!!!それとも見てたからそこへの言及は不要ってこと!?!?!?!?!!
 
 このシーンがわけわからなすぎて最高に好きです。意味も過程も説明も何もかもすっ飛ばしていたとしても、「今ここにあるものがスクリーンの中ではすべてなので。事実なので」と言わんばかりの強さ……!!!痺れる……!!!!!!!!13月を探しにいったジャニーさん絶対好きだろこれ………!!!!!!!!!
 
 エメラルドがリョーマとテニス対決をするときラケットをいきなりふくらはぎに括りつけ、逆立ちして左右に回りながらプレーするシーンもめちゃくちゃおもしろかったです。ラケットを足に括りつけたところまではなんとなくまだ理解ができたんです。エメラルドが壁打ちしてるとき、蹴りでボールの勢いを殺したシーンがあったので……
 だけど、逆立ちして回りながらボールを返すのは完全に笑ってはいけない「リョーマ!」すぎました。頭の中が「なんで???????????」の満員電車状態。乗車率は200%。
 
 紆余曲折あり、リョーマと南次郎がスタジアムのコートでテニスをすることになったわけですが、そこにもじわポイントがありました。
 ラリー中に突然ボールが光り出し、空がオーロラのようなものに染まったと思ったらいきなり手塚たち青学の面々が空から降ってきたんです。
 ズン!ズン!ズン!!!!!と地面に突き刺さるんじゃないの?????という勢いで。降ってくる形式にじわじわきました。
 
 ですが、情報量の多さに思考能力がマヒしていたのか「まぁ、リョーマなら人が降ってきてもおかしくない……」と目の前の事実を事実としてすんなり受け入れられている自分もいました。受け入れたというか、わかんないけど飲むしかない、みたいな……そしてその感覚がまた心地よく……!
 
 そしてやっぱりここでもみんな歌って踊っちゃう。いつの間にか登場してた他校の選手たちも含めてコートを囲っちゃう。青学の包帯巻き巻きの人は変わらず巻き巻きだし、ラインはオーロラ色にピカピカ光る。黄色いユニホームを着た人は重要なキャラなのかな……?空を切り裂くようなミュージカルボイスだ。あれ……宙に誰か浮いている……???
 
 もう何もかもわからないけどすごい……………
 エンターテイメントがそこにはある。
 めちゃくちゃハッピー!
 元気出る最高!!!!!
 
 わたしはもはや疑問を放置、つっこむことを忘れ、壮大なエンディングに感動していました。
 
 エンドロールでは原作の登場人物たちの日常を描いたイラストが流れてきてほっこり。誰が誰かわからないけど、みんなかわいいな~とクールダウンできました。
 
 が、クールダウンしている場合ではなかった。
 本編の勢いですっかり記憶の彼方に追いやられていましたが、「テニフェス」なる謎のイベントが待っていたんです。
 
「Love Love Festival...」
 
 エンドロール終了後突如流れ始めた曲に「!?」と驚く間もなく、スクリーンに映し出される「SINCE 1999」の文字。待って、テニプリってそんな昔から続いてるの!?
 
 そこからは怒涛の勢いで曲と映像が流れていきます。もはやこれは実演付き少年たちと言っても過言ではないのでは……!?(映画少年たちには、上映後に出演者たちが劇場でミニコンサートを開催する期間がありました。丸の内ピカデリー限定で、1週間くらいだったかな)
 2年前の春、わたしがまぁまぁブチキマってたときの高揚感を完全に思い出していたら、いきなり後頭部をぶん殴られたんです。
 
「スケスケだぜ」
 

何!?!?!?!?!?!?!???!!!?!!?!

 誰!!?!?!?!?!?!??!!???!?!??

 
 スケスケだぜという今日イチのパワーワードに完っっっっっっ全に宇宙猫。スケスケだぜって何!!?!?!?!?!?!?!?!?!と大混乱で歌詞や映像が頭に全く入ってきませんでした。
 締めも「俺様の美技に酔いな」というパワーワード。待って、パワーワードパワーワードのサンドイッチはテニプリ超初心者には刺激が強すぎる。咀嚼する以前にバンズがデカすぎて口の中に入らない。せめて食べさせてくれ。
 
 「スケスケだぜ」と「俺様の美技に酔いな」で放心状態になっているうちにバーーーーーンと画面いっぱいに現れた「世界を敵に回しても」というゴシック体の文字、そして飛んでくる地球。
 
 はぁ……もう何もわからない……わからないけど、この曲が流れるとすべての川が一つの大きな海に行き着くよね……大団円になるよね……わかる……ハッピーエンドなんよ……レッツゴートゥーアース青くかーがーやーくーあのほしへかーえーろうーーーだよね……わかる……ねぇ、何この安心感……初めて触れる作品なのに実家感が強い……内容というより、この感覚が…………あれ……わたし帝劇にいるんだっけ………………????????????
 
 よくわからぬ感情の波に飲み込まれながら、完。
 
 ただひとつわかったのは、作品の持つパワーとエネルギーが強大ということでした。「リョーマ!」は見るだけでめちゃくちゃ元気をもらえる最高の作品……!
 また、”浴びる”という表現がすーーーーーーーーーっごくしっくりきました。これは現場だと確信。「Glory」も見に行こうかなぁ……の気持ちに。
 
 過去が変わったことでエメラルドたちの未来も明るい方向に変わったであろうストーリーも印象に残っています。手下たちの現在は描かれなかったですが、テニスギャングをやっていないしエメラルドはモデルになったようだし、おそらくお天道様に顔向けできるような生き方をしていることでしょう。
 

2回目:Glory

 テニプリファンのフォロワーさんの勧めもあり、また映画で見てわからなかった疑問を解消したいという思いもあり、「テニスの王子様」を読破し「新テニスの王子様」も履修し始めてから挑んだ「Glory」。
 時系列等を把握できたので初見時のような混乱は基本的には起きませんでした。包帯巻き巻きキャラの正体が乾ということ、そして包帯が巻かれている理由、「スケスケだぜ」は跡部の名セリフということ、すべて理解しました。
 
「Glory」は一にも二にも跡部、いや、跡部様でしょう!
 すべてを搔っ攫っていく跡部景吾(14)……!!!!
 
 リョーマの電話パート、最初は白石につながりました。金太郎の「コシマエー!!!!!」かわいいな~とニコニコ。てことは次は跡部につながるんだな~どんなこと言うのかな~とのんびり構えていました。甘かった。大草原にクエスチョンマークのお花畑を作ることになってしまうとは………
 
 ん??????跡部だけなんで寝室??????????
 寝起き?????????
 ナイトガウンで寝る中学生おるんか??????????
 えwwwwwwwwwwwwwwwwwwおみ足のカットは何なのwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
 妙に湿っぽさを感じるのは何?????湿度高くない??????受け手側の問題???????????
 
 これは……跡部様の……イメージビデオ………………????????????????????
 
 跡部パートの始まり方だけ毛色が違っていてすごく印象に残りました。突き抜けたキャラクターだからかなぁ。それにしても掛け布団からのぞくおみ足カットがおもしろすぎる。湿っぽさを感じたのはわたしだけでしょうか……「この方14歳だよね……????」と脳内会議始まりましたけど!?
 
 リョーマにかける言葉は跡部らしくまっすぐな内容ですごく好きです。どんな人かあの言葉を聞いただけでなんとなくわかるし、内容が普遍的なことだからテニスについて知らなくてもすっと入ってくる気がします。
 
 そして「テニフェス」!!!!!!!!!
 おもろすぎてだいだいだいだいだいすきポイントが2つあります!!!!!!!!!
 
 「Love Festival」は校名コール入れるのぜっっっったいに楽しいですよね……!!!!!!!テニプリのアンセムっぽくて「サマパララ」を思い出しました。担当違えど2018年・夏のTDCの記憶とともにあるあの曲……!
 原作を通して「青学~~~~!!!!!(号泣)」というオタクになったわたしは、「Tricolore」で流れてくるスナップ写真たちに愛おしさ溢れました。1枚ずつじっくり見せてほしいし、菊丸は養いたいかわいさ。
 そして、おもろポイントその1は不意打ちで襲いかかってきました。
 
「恋の激ダサ絶頂(エクスタシー)!」
 
 え!!??!!?!!!??!!!!!!!なんだって!!!??!!?!!???!!!?!!!wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
 
 「Tricolore」が終わり、白文字でさらっと登場した超ド級パワーワードが意識という意識のすべてを吸い取っていきました。ダイソン顔負けの吸引力。
 
  恋の
 激ダサ
 絶頂(エクスタシー)
 
 いやいやいや組み合わせがおもしろすぎるでしょ!!!?!??!?!?!!?!?
 「俺様の美技に酔いな!」も初見時咀嚼できなかったけど、今回のもやばい。誰が歌ってるかとか歌詞とかまっっっっっっっっったく頭に入ってこない、やばい。本気のパワーワードすぎる。強い。一度聞いたらぜっっっっっったい忘れられない本物のパワーワード、「恋の激ダサ絶頂(エクスタシー)!」。映画終わってスマホ開いて一番最初にしたのが、検索欄に激強パワーワードを打ち込むことでした。
 混乱状態のまま木手ソロ曲、四天宝寺の曲を受け止めたわたしを待ち構えていたのがラスボス・跡部様。
 
「A!」
 
 
「T!」
 
??????
 
「O!」
 
????????????
 
「BE!」
 
!!?!?!??!?!!??!?!?!?!?!
 
 飛び出す文字……額縁の中にうつる跡部様の姿の数々……これは……跡部様曲……!!!!!!!!!
 このときのわたしは全力全開の跡部ワールドに浸れる喜びと、それはそれとしてやっぱり跡部ワールド草生えるの気持ちで大変なことになっていました。本当にマスクがあってよかった。おもろポイント②は突然に
 
チャームポイントは♪
ふっふー!
泣きぼくろ♪
ふっふー!
ゴージャスほくろ♪」(違ったかも)
ふぅわっ!ふぅわっ!ふぅわっ!ふぅわっ!
 
 ウワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!
 すーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーんごいコールしたーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
 
 こんなに盛り上がれる曲で
 ペンラを持たず
 決して声も出さず
 いつも静かに見守っている
 そういうものに
 わたしはなりたくない(cf.某卒業文集)
 なりたくないよ本当は!!!!!!!!
 ならざるを得ないからなっているけれど、とてもつらい…………もどかしい……………!!!!!!!!!!!!!
 コロナが落ち着いたらぜひ、発声可能な応援上映の開催をご検討いただけますと幸いです。何卒よろしくお願い申し上げます。
 
 といった調子で「Glory」初鑑賞は幕を閉じました。
 

3回目以降

 新テニやファンブックの履修も進み、回を重ねるごとにさまざまな見方、感じ方ができるようになりました。
 手塚がリョーマに送った言葉で泣くし、「エメラルドライン」と「Orange」で泣くし、冒頭の試合場面では青学メンバーの道のりを思って泣くし、立海メンバー、そして幸村の気持ちを想像して泣く。「go on」で描いてた「☆」にも泣く。
 悩むリョーマと青学メンバーがラリーをする場面、記憶喪失になったリョーマがライバルたちとテニスをすることで記憶を取り戻したエピソードとなんとなく重なって泣けました……あのときはライバルたちの力を借りて記憶を手にしたけど、今回は仲間の力を借りて迷いを断ち切りひとつの選択を手にしたんだね……テニスでつながっている、わかりあえるリョーマと青学メンバーたち……(号泣)
 
 また、何回目かの鑑賞で跡部様のブーメランパンツ姿がどちらのパターンにも映ってることに気づいて心の中で爆笑しました。跡部様とそういう契約を結んでるんすか!?というヤジを飛ばしたくなる。
 
 雑なまとめになりますが、とにもかくにもリョーマ!」めちゃくちゃおすすめです
 

さいごに

 タイトルの「『んん-っ、絶頂(エクスタシー)!』で泣く」について少しだけ……。笑 新テニのネタバレ含みます!
 
 原作で白石が初めて「んんーっ、絶頂!」と発したとき、つい笑ってしまったんです。「いやエクスタシーってwwwwww」
 セクシー寺修行で悶絶(だったかな)してるけんとくんの表情を見たふうまくんが「エクスタシー達してる」とコメントしたのを思い出してさらにじわじわきてしまったんですね。
 
 そんな白石ですが、全国大会後、U-17日本代表として出場することとなった世界大会で、とあるきっかけにより試合出場を直前回避。そこからスランプに陥ります。バランスがとれていて平均点は高いけれど、突出した武器がないという事実に直面。己の目指すべきテニスが見えなくなってしまったんです。
 悩んで悩んで、先輩の助言を受けて考え、ひとつの答えにたどり着きました。
 そして、ダブルスで試合に出場することとなります。
 序盤は自分で得点できず苦しい展開。ペアを組む君島と相手ダブルスは気持ちよく試合している中、自分だけ波に乗り切れないのは苦しかったのではないしょうか。君島・白石ペアは1セット目を落としてしまいます。
 ただ、白石は何もせず落ち込んでいるような選手ではなかった。試合中から冷静に相手の実力を見極めていました。
 
 そして挑んだ2セット目、君島のアシストもあり、ついに新たな才能が開花します。
 新たなプレースタイルで2セット目最初のポイントを獲得。そして放った渾身の「んんーっ、絶頂!」。
 涙がこぼれました。
 己の「聖書テニス」が世界に通用しないと気づいてからの日々は、不安や苦しさでいっぱいだったと思います。周囲がめきめきと力をつけていく中、自分だけが伸び悩んでいる……という焦燥感もあったかもしれません。
 それでも自棄にならずひたむきにテニスと向き合って、四天宝寺中の仲間たちのプレーに力をもらい、先輩に支えられ、選手としてひとつの壁を乗り越えた白石が発した「んんーっ、絶頂!」は、もがき苦しんだ日々をとっておきの宝石に昇華させる最後の一匙、おまじないに思えたんです。
 
 まさか最初に笑っていたときは、このセリフに泣かされるときがくるなんて想像すらしていなかった……!白石がまたこの決め台詞をコート上で発することができてよかった、と安心しました。
 
 幸村と真田のプレイヤーとしての原点、不二にとっての手塚、黄金ペア、桃城と海堂の同学年ライバルなどなど涙ポイント、ぶち上がりポイントは枚挙にいとまがないのですが、同じセリフでも感じ方が180度変わったという点が印象的だったのでお話してみました。
 
 ぜひ「リョーマ!」見に行ってみてください!
 王道コースは「Decide」→原作履修→「Glory」→「Dicide」かな?と思います。
 ただ、ミリしらジャニオタにはいきなり「Glory」に飛び込んでみてほしい……!
 
 ちなみに菅田将暉さんは以前、旧テニ、新テニの既刊約60巻(当時)を1週間弱で読み終えたと話していました。「面白くて読んじゃった」らしいです。気持ち、めちゃくちゃわかる。王道コース、案外いけます、おすすめです。(関係ないけど菅田さんがテニプリのキャラを演じるとしたら切原が似合いそう)
 
 今度ジャニオタの友人たちを「Glory」に連れていきます。跡部様曲が控えているので、心にペンライトを装着してきてほしいと頼みました!感想を聞くのがたのしみです。
 ではでは〜
 
 

2018年現場まとめ─SixTONESとはいびー、時々かつせく

 それなりに長いオタク人生ですが、ほぼ毎月のように現場へ足を運んだことはありませんでした。なので、記念に1~12月に入ったジャニーズの現場まとめをします。ちょっとした感想も書きます。グループ名は当時のまま記載します。

 

■目次

▽入った現場一覧

▽振り返り

 

■入った現場一覧

▽1月

 6日 Westival(横浜アリーナ)/ジャニーズWEST

▽3月

 26日 ジャニーズJr.祭り 単独公演(横浜アリーナ)/SixTONES

 27日 ジャニーズJr.祭り 合同公演1・2部(横浜アリーナ)/SixTONESSnow ManTravis JapanLove-tune

▽4月

 7日 SEXY ZONE repainting Tour 2018(マリンメッセ福岡)/Sexy Zone

 20日 UNION(東京ドーム)/KAT-TUN

 22日 UNION(東京ドーム)/KAT-TUN

▽5月

 4日 SEXY ZONE repainting tour 2018 2部(横浜アリーナ)/Sexy Zone

 13日 ジャニーズ銀座  2018 2部(シアタークリエ)/HiHi Jets東京B少年

 27日 ジャニーズ銀座 2018 2部(シアタークリエ)/HiHi Jets東京B少年

▽7月

 1日 ワクワク学校 1部(東京ドーム)/嵐、Sexy Zone

 28日 Summer Paradise 2018 1部(東京ドームシティホール)/SixTONES

 31日 Summer Paradise 2018 2部(東京ドームシティホール)/SixTONES

▽8月

 2日 Summer Paradise 2018 1部(東京ドームシティホール)/SixTONES

 4日 サマーステーション(EXシアター六本木)/HiHi Jets

 6日 サマーステーション 2部(EXシアター六本木)/HiHi Jets

 12日 Summer Paradise 2018 1部(東京ドームシティホール)/Snow Man

 26日 サマーステーション 1部(EXシアター六本木)/東京B少年

 28日 Summer Paradise 2018 2部(東京ドームシティホール)/SixTONES

 29日 Summer Paradise 2018 2部(東京ドームシティホール)/SixTONES

▽9月

 8日 GR8EST(東京ドーム)/関ジャニ∞

 14日 少年たち そして、それから…  2部(日生劇場)/SixTONESSnow Man

 15日  少年たち そして、それから… 1部(日生劇場)/SixTONESSnow Man

    CAST 2部(横浜アリーナ)/KAT-TUN

▽12月

 15日 Johnnys' King&Prince Island 1部(帝国劇場)/King&Prince、SixTONESSnow ManTravis Japan、7men侍、HiHi Jets、Sexy美少年など

 

 計25公演!

 自名義で当てたり、友人に当ててもらったり、フォロワーさんにお誘いいただいたり、交換させていただいたりして、いろいろと入ることができました。本当にありがとうございます!交換などの取引も、素敵な方ばかりとさせていただいて全く嫌な気持ちをしなかったのは、とてもよかったなぁ。

 

 

■振り返り

▽Westival

 現場始めは初のウエスト!

 Into Your Eyesが三者三様に強すぎた。RealLiveをインストールし、横アリ設定にしてIYEを聞きまくるという生活を1週間くらいは続けた気がする。

 近くにやってきた流星くんや小瀧くん「近いからこそでしょ!!!!」と言って双眼鏡で眺めたのはキモオタすぎていい思い出。

 

▽ジャニーズJr.祭り SixTONES単独公演

 2016年サマステぶりのスト単独現場!

 フォロワーさんにお誘いいただいて入れたのだけど、この場にいられて本当によかった。

 当時のブログに思いはつづったので割愛。ジェシーくんの「I LOVE YOU」が本当によかった。

 

ginzagin68.hatenablog.com

 

 来年も横アリで単独待ってます!横アリじゃなくてもいいです!

 

▽ジャニーズJr.祭り 合同公演

 1部が制作解放席で当選して、まさかのオーラスとダブルヘッダー!26日夜、27日昼と連続になったので、合同一緒に入る友人を誘い、新横浜に泊まることに。関東にいながら遠征気分を味わえて、とっても楽しかった~!

 オーラスは各グループの単独パートが増えていた分、違いを明確に感じられて満足度が高かった。エネルギーが迸る空気に客席のボルテージも急上昇!各々が身に付け磨きあげた芸を観られて幸せだったし、肌で熱気を感じられた現場だったなぁ。

 一方で、1部と2部続けて入ったからか、同じチケット代なのにこうも内容が違うのはいいのかな、とも思ってしまった。1部がだめ、2部がいいというわけではなく、どちらもよかったんだけど差があるのは違う気がするという話。今さらですが。

 それはさておき、1部は単独パートがストからだったのに順番が変わったときはへんに緊張してしまった!w ストが最後までステージに残ったときのそわそわ感……何もなかったけど。笑

 

Sexy Zone repainting tour 2018

 初福岡!熱気がすごいという噂は本当だった!開演10分前から鳴り響くセクゾコールに圧倒された。ドキドキや期待が渦巻いて、「早くSexy Zoneに会いたい!」という気持ちがひしひしと伝わってくる空間。演者もより一層の気合が入っただろうなぁ。

 そして、ネタバレ見ずに開演を迎えたらオープニングが「Unreality」という衝撃に頭をぶん殴られてほぼ記憶がなくなるという事態が発生www 終演後、「かっこよかった!かっこよかったことしか覚えてねぇ!かっこよかったことは確か!!!!!」とさんざん嘆きつつはしゃいだ。

 わすはな衣装でおしりにしか目がいかなかったことと、フィル青の「シューーーーーーーー」が特に印象に残ってるかな!セクシーのコンサートは魂が清らかになることを再度確認。リペを聞くたび「なぜ円盤が手元にないのか(哲学)」となっていたので、発売日がとっても楽しみ!

 

▽UNION

 2年の充電期間を経たKAT-TUN復活のコンサート!最初から最後までずっとかっこよかった。KAT-TUNって存在自体もそうなんだけど、表現するものや空間もとにかくかっこいい。3人になっても「KAT-TUN」という看板の持つかっこよさは健在で、だけどちゃんと3人らしさもあって、再出航にふさわしいコンサートだったと思う。

 アイラキを聞けたときはうれしすぎて気を失いかけた。笑 「RAY」のかめは芸術品。

 最終日、かめがボールを投げてくれたのはいい思い出……!「えっうそこっちに投げてくれたどうしよあわわわわ」てなってたら指の先に当たってしまって、違う方の元にいったんだけど、あのボールの感触は忘れられない!笑 

 

 ▽ジャニーズ銀座2018

 「藤井くんと猪狩くんの『MY MP3』(遺言)」。こんなふうに思うくらい、クリエは藤井くんとガリさんのMY MP3が個人的MVPだった。選曲にテンション爆上がりしたのもあるけど、ふたりのダンスがかっこよくていつまでも見ていたかった!本当にいい。

 席が扉付近のときがあり、お立ち台来るときなど間近で見てしまったんだけど、みんなツヤツヤしていた……まじで孫を見にきている気持ち。みんなかわいくて、ここが桃源郷かと思った。「シンデレラガール」では、「なすぴ」以外の語彙を失った。

 

▽ ワクワク学校

 バレーボールのチケットをぴあで買いまくっていた効果か(?)、当てることができたワク学。初めてお邪魔したけど、まるでテレビを見ているようだった。嵐の安定感が抜群。ある程度の不確定要素がある中でも、こちら側が「大丈夫かな?」とソワソワすることが全くなかった。月並みな言葉だけど、さすがとしか言いようがなかった。

 セクシーたちものびのびやらせてもらっている感じで、とても和やかな空気感に目尻下がりっぱなし。しかし目がいつも以上に足りなくなってつらかった!うれしい悲鳴。

 

▽Summer Paradise 2018/SixTONES

 「N.M.P~Water Dance」、北斗くんの「Ordinary」、ジェシーくんの「Lonely Dancer」のために5回も入ってしまった……。入ってもせいぜい2回と多ステ派じゃなかったにもかかわらず、つい……まぁ、追加公演も含めてなんだけど……。何回が入ってるうちにサマパララ大好きになっちゃったよ……。

 一番気持ちよかったのは、オーラスのダブルアンコ。メンバーの「アンコールといったらこの曲っていうのあるよね。せーので曲名叫んで! せーの!」からの、ファンの「この星のHIKARI!」からの、直後に流れ始めるイントロ、っていう流れ。メンバー、ファン、スタッフさんの気持ちが一致しているのがよく表れた場面で、テンション上がらずにいられなかった。全体の関係性、空気感がとても心地よくて、多幸感でいっぱい。トリプルアンコがホットケーキの歌なのもSixTONESとスト担らしくてよかった。20公演駆け抜けた彼らが誇らしかったな。

 曲についていくつか。「Ordinary」は本当に大好きで死ぬほど聞いてた曲だから、初日にイントロ聞いたとき思わず軽い悲鳴を上げてしまった。北斗くんの解釈した「Ordinary」を見られるなんて夢のようだったし、とても幸せな時間だった。

 ジェシーくんの「Lonely Dancer」は白スーツがよく似合う!ただただかっこいい!バックで踊るほくしんもめちゃくちゃかっこよくて、目が6個は必要だった。

 「LOVE JUICE」のとき、アリーナ席なのに双眼鏡使って表情見るというキモオタの極みのようなことしてたら、間奏開けのネクタイ括りつけて静止する場面で北斗くんと双眼鏡越しにがっつり目が合ってしまうという事態が発生。あれは穴があったら入りたかった……。

 恥ずかしいし双眼鏡外さねばと思ったんだけど、瞳の吸引力がすさまじくて身動き取れなくなってしまった。表現することに入り込んでるときのアイドルの本気を、思わぬところで感じた瞬間だった。

 個人的に一、二を争うレベルで思い出に残ってるのは、一緒に入った友だちが初日のアイドル運動会の罰ゲームでプロポーズする高地くんを見て、「公式にゼクシィした……」と口を抑えて感動してたこと。かわいいのとおもしろいのとで、本編とは関係ないけどすごく好きな場面だった。彼女は他担だけど、今も優吾しんどいをこじらせている。

 「この星のHIKARI」ラストのほくじぇが、毎回かわいかったのもいい思い出!

 

▽Summer Paradise2018/Snow Man

 Snow Manの単独にお邪魔するのは初めて! アクロバットがすごいし、同じ会場でもストとは使い方が違っていてそこらへんもおもしろかった。少年たちやJr.祭りでは見られなかった自分たちのファンに向ける一面が見られて、とても新鮮な気持ちになったな。職人のイメージが強かったから、まさにアイドルといった演出をしていた「花言葉」は特に印象に残ってる。

 舘様のかめちゃんリスペクトをひしひしと感じてニヤニヤしたけど、うれしかった。

 

▽サマーステーション/HiHi Jets

 ハイハイちゃんはファンを乗せるのがうまい!ファンもちゃんと乗るから雰囲気がめちゃくちゃよくて、ハイハイちゃんの単独に入るのは初めてながら、そんなこと気にならないくらい楽しめた。

 「YES!!!」がめちゃくちゃかっこよかったな。みんなまだ10代だけど、10代だからこそ出せる色気をたっぷり醸し出していて、迫り出してくるセットも相まって圧倒されてしまった。

 独特な世界観のあるMCもツボだった。チョコレートの仙人……www

 

▽サマーステーション/東京B少年

 うきふじが熱かった!

 うきふじで「背中越しのチャンス」を歌う前、ステージ上でハイタッチか何かをして気合いを入れる二人がすごくよかった。浮所くんと藤井くんってアイドルであることに対して特に意識的だと思ってて、絶対に手を抜かないだろうなという信頼感が外野ながらにある(もちろん他のメンバーが手抜きだとかそういうことではない)。そんな二人がパフォーマンス前に何かを確かめ合う瞬間というのは、志を同じくした戦友同士が戦へ出る前に拳を突き合わせているようにも見えて、胸が熱くなった。

 あと、たいりゅに気づいた公演でもあった。そういえば同い年だよねと。ファンサ頑張るあまり道詰まらせてた龍我ちゃんの体を「ほら、前進んでー」と言わんばかりにぽんぽんと叩く大昇くん、っていう構図がかわいすぎた。双子のお兄ちゃんみたい。

 金指くんがさらに育ってて、「BYAKUYA」のかなふじガン見した。あれは「かなぴ」じゃなくて「一世」だった……成長曲線が恐ろしい。

 

▽GR8EST

 1曲目の「応答セヨ」で、すばるくんの不在を全身で感じて涙を止められなかった。

 正直、GR8ESTに入るまではすばるくんがグループを離れた実感が湧かなくて、悲しいのか寂しいのか何を思ってるのか自分でもよくわかってなかった。ニュースで既存曲を歌う6人を見ても、「6人で既存曲を歌ってる」という事実しか受け止めることしかできてなかった。すばるくんがいない事実に現実味がなかったのかもしれない。

 だけど、生で、6人だけで既存曲を歌うのを自分の目で見て、自分の耳で聞いて、それは紛れもない現実なんだと理解したら一気に喪失感が押し寄せてきた。あの伸びやかな歌声がいないことが寂しくて仕方なかった。だから、たまらず泣いてしまったんだと思う。

 でも、エイトは強い。彼ら自身だって折り合いがついてない部分はあっただろうに、かっこよくて、おもしろくて、あたたかな空間を作り上げることで、「寂しい、悲しい」の感情を前向きな感情に変えてくれた。それも自然と変わっていった。

 無理に前を向け、と言わない優しさがあった。それは関ジャニ∞の強さだ。言葉だけではなくパフォーマンスで表現する6人は本当にかっこよくて、たくましかった。

 コンサートの内容は本当にあっという間に時間が過ぎてしまうほどおもしろくて、振り幅が楽しすぎた!間近で見たよこくらの美しさがエグすぎて、よく耐えられたなと自分の目を褒めたい。「LOVE&KING」のはちゃめちゃ感も最高だった。クラティックの安田くんがプロすぎたな……特典待ってます……!

 

▽少年たち そして、それから…

 4年目ともなると熟成されてきていて安定感が抜群。緊張感と緩みのバランスが丁度よかった。ふっかと北斗くんがジェシーくんを戦地で看取る場面と、ジェシーくんからの手紙では思わず泣いてしまったな。2年目は観に行けなかったけど、過去4年間で一番やるせなさや悲しみが自然と込み上げてくる展開だった。北斗くんの演技がやっぱり好きだった。

 そして、今年で最後かなという考えが頭の片隅にあったから、「闇を突き抜けて」などしっかり目に焼き付けてきた。彼らが毎年向き合ってきた舞台の集大成、忘れたくないな。などと言って来年もあったらちょっと笑うけど、それはそれで!笑

 通路から2列目に入れたときは、北斗くんが近すぎて視界に入ってたらどうしよう申し訳ないと緊張するあまり体がびりびり痺れた。笑 やっぱり遠い席からこっそり見てるのが性に合ってるのかも。

 

▽CAST

 アリーナだろうとドームだろうと、KAT-TUNがいればそこは広大な宇宙になる。ドームに比べれば狭いアリーナも、それを全く感じさせなくてKAT-TUNはやっぱり空間の使い方がうまいと再確認。天界から地上に降り立つかのようなセットもド派手な特効も、ガンガンに脳を揺らしてきて最高にテンション上がって楽しく、気持ちよかった。

 三者三様の色が出すぎるくらい出ていたソロ曲は珠玉!かめの「One way love」はモニターと本人のどちらを見たらいいかわからなくなる贅沢な状況に頭を抱えた。

 KAT-TUNはいつ見てもかっこいいし、パフォーマンスに対して真摯だ。来年もコンサートがあるなら絶対に行きたいと思ったし、行ったことない方には一度でいいから観に行ってほしい。損はさせないと断言できる。

 個人的な話をすると、花道真横の席に入ることができたのもいい思い出だった。ムビステがちょうど私たちのところで止まって、歌詞に合わせたファンサをもらってしまった。天にものぼる思いすぎて記憶が一瞬飛んだ。笑 とにかくかっこよくてセクシーで、同行してくださった方とはしゃいだことは覚えてる。幸せすぎる一瞬だった……!

 

▽Johnnys' King&Prince Island

 2幕以降のSixTONESがとりわけ魅力的だった。

 今や代表曲になった「JAPONICA STYLE」はオリジナル衣装で魅せてくれた。北斗くんはソロバートで首を切るふりをしてから桜を血しぶきに見立ててふわっと舞わせるなど、初めて観る人も過去に観たことがある人も心を鷲掴みにされてしまうような演出を加えてて、あまりの素晴らしさにスタオベしたくなった。

 「Hysteria」や和風アレンジの「Amazing!!!!!!」などの素晴らしさは言わずもがな。あまりに圧倒されてしまい、うっかり拍手をし忘れてしまった。呼吸するのも忘れてしまうほどだった。帝国劇場の空気を瞬時に塗り替えたSixTONESからは根拠のある自信を感じた。今、彼らを取り巻く環境がそうさせたのかもしれない。贔屓目も入ってしまうけど、本当に素晴らしかったのでぜひ映像として残ってほしい。入れた人しか見られないのはあまりにもったいない。

 芸という点では、Jr.兄組が出演時間は短いながらもそれぞれ存在感が濃くて印象に残った。彼らがいるとより一層空気が引き締まる。ここまで10年近く積み重ねてきたものが発揮されていて、芸ってこういうことか、と思わされた。「日本よいとこ摩訶不思議」、かっこよかった。

 本編は顔のいい男たちを見に行くという目的で入ったのでストーリーが存在しないことに関してはそこまで戸惑いがなかった。岸くんと大昇くん、個人的に歌声が好きな二人の「My Heart Will Go On」を聞けたのは幸せだったなぁ。Travis Japanの「夢のHollywood」が和風アレンジなのがとても新鮮で好きだった。途中から通常バージョンになったので、一度で二度おいしかった。

 

 以上です!予想以上に長くなってしまった!8月は個人比だけど狂ったように現場に行ってたな~~

 本当に、どの現場もすてきでした!来年は今年のようにはいかないと思うけど、できる範囲で楽しみたいと思います。

 ではでは~~。

 

 

 

猟奇的な愛と執着心の終着点――SixTONES「Hysteria」の歌詞考察

 9月に行われた舞台「少年たち」で披露されたSixTONESのオリジナル曲「Hysteria」。10月5日放送のザ少年倶楽部で初披露され、歌詞の全貌が明らかになりました。

 歌詞をパッと見たとき、倫理観が欠落した、閉鎖的で歪んだ世界が浮かび上がり、それと同時に「Hysteria」は歌の主人公のことを指すのではないかと思いつきました。ややアブノーマルかと思ったので日を置いてあらためて歌詞を眺めてみたものの、ひとつの解釈としてはあってもいいんじゃないかという思いが深まっていく一方。

 そこで、英語詩の部分は文法をあまり考えない超訳をしつつ、和訳という名の歌詞の再構築をし、自分なりの解釈を書いていきます。あくまで個人的な、ご都合主義かつ想像力が暴走した解釈です。こういう読み取り方もあるんだなくらいに受け取っていただければと思います。文字数はページ番号がわりに書きました。分量把握の参考にしていただければと思います。

 

 ※タイトルにもある通り、歌詞から「独占欲」「執着心」「猟奇的な愛」を柱に解釈していくので、気分を害する表現が出てくる可能性があります。以下、特に注意書きはしません。閲覧は自己責任でお願いします。

 

◇目次 

◆歌詞

◆和訳を含めた歌詞の再構築

◆考察ー大まかな流れ

 1.主人公と君の関係性(約1000文字)

 2.君に対して「恋人のように」、「紳士ぶって」振る舞う主人公(約1300文字)

 3.猟奇的な愛が牙をのぞかせる瞬間(約1300文字)

 4.倒錯的な世界に溺れる主人公(約2200文字)

 5.猟奇的な愛と執着心の終着点(約1300文字)

◆考察ー部分的な要素

 1.冒頭の音について(約1300文字)

 2.「Green light」「Yellow light」の解釈(約300文字)

 3.単語/フレーズの繰り返し=主人公の執着心(約300文字)

 4.心中ソング/独占欲の果てに殺すソング/不倫or浮気ソング(約700文字)

 5.カニバリズムの要素(約700文字)

 

◆歌詞

I've been looking for ya, Wanna get to know ya
Wanna be your man, I need your lovin', lovin', lovin'
Baby, I just wanna take you away,一人きりじゃFeeling so blue
Alright, いつでもCallin' your name
 
I got you baby, Let's take it so slow 深まっていくBlack night
いくら君を忘れようとしても
I just can't leave you alone, Ah
目と目が合えばYou give me butterflies
だから君以外 Uh 欲しくない, All that I want
肌に触れたYour lips, So red
I just can't get enough その甘いFlavor
いつもMissing you, Missing you
Give me a, Give me a green light
離さないで Cuz you drive me crazy
Hysteria
 
Will you be mine? Be my SixTONES Wow Wow
Will you be mine? Be my SixTONES Wow Wow
 
Girl, Just let me hold ya, Kiss me like your lover
We'll never be friends,
We keep on freaking, freaking, freaking
Baby I just wanna see you again,
その瞳がMake me insane
Alright, 染めてくMy world in pink
 
So listen baby, I'll break it down 何度だってRound & Round
夜の闇の中で探すけれど Your love will never be found, Ah
二人の部屋は まるでParadise
見え透いた未来, Uh 望まない All that I need
溺れてみたいYour tears, Your lies
I wanna get you now 滲んでくMake up
今もDigging you, Digging you
見えないYellow light, Yellow light
そうやめないで Cuz you drive me crazy
Hysteria
 
Will you be mine? Be my SixTONES Wow Wow
Will you be mine? Be my SixTONES Wow Wow
 
So beautiful, 熱く溶けるほどにGive me your love
I just keep falling for you, Can't get you out of my head
伏し目がちなYour smile もう二度と戻れない
今もLost in your eyes...
 
Hysteria
 
Will you be mine? Be my SixTONES Wow Wow
Will you be mine? Be my SixTONES Wow Wow

 

 

◆和訳含めた歌詞の再構築

君のことを探し求めてきた 君のことを知りたい
君の愛が必要なんだ だから君の恋人になりたい
ねぇ、君のことを連れ去りたいよ だって一人きりじゃ憂鬱で、気分が塞いじゃうから
ほら、いつでも君の名前を呼んでるよ

 

君を捕まえた まぁ、ゆっくりいこうか 夜はこれからなんだからさ
いくら君を忘れようとしても 君を一人きりになんてできやしなかった
君と目が合うとこんなにも胸がざわめくんだ だから君以外欲しくない 君だけが欲しい
肌に触れた君の唇は赤らんでいるね まだ君のこと全然味わえてないよ
いつも君のことを手に入れられない ねぇ、「いいよ」って言って
離さないで だって僕を虜にするのは君だけなんだから

 

僕のものにならない? 君は僕の宝物だから

 

君のことを抱きしめさせて それで、キスしてよ 君の恋人にするようなキスを
僕たちは友だちなんかになれないよ だって中毒になったみたいに、気がおかしくなったままだ
いっそのこと永遠のさよならをしてしまいたい その瞳が僕のことを狂わせて、世界を真っ赤に染め上げていくから
だから聞いて愛しい人 ちゃんと教えてあげるよ 何度だって、飽きるほどに
夜の闇の中で探すけれど あぁ、君の愛はどうしたって見つけられないな
二人の部屋はまるで楽園のようだ 見え透いた未来は望まない 君だけが欲しい
君の涙と嘘に溺れてみたい やっぱり今、君を僕だけのものにしたい 紳士ぶっていた自分が滲んで完全に溶けていく
今も君が好きで好きでたまらない 君のこと、骨の髄まで知りたい 「やめて」なんて言うだけ無駄
そうやめないで だって僕をこんなに狂わせたのは君なんだから

 

とてもきれいだ 熱く溶けるほどに君の愛をちょうだい
今この瞬間も恋に落ちてるんだから、君のことを忘れられそうにない
伏し目がちな君の笑顔 もう二度と戻れない
今も君の瞳に夢中で、とらわれたままなのに

 

 

◆考察ー大まかな流れ

 まず、歌詞を見て感じた全体の印象と、その根拠になりそうな部分をざっくりと。

 

 この歌の主人公に対して、強い執着心と狂気を感じたのが考察のスタート地点でした。なお、「Will be mine?  Be my SixTONES」については特に考えずに考察しました。

 以下、順を追って考えを書き連ねていきます。

 

 

1.主人公と君の関係性

 主人公と君は決して近い距離にいるとは感じませんでした。根拠は3つ。

 1つ目は「I've been looking for ya」。もし近くにいるなら「探し求めてきた」というのは違和感があります。2つ目は「We'll never be friends」。もし、元々何かしらの関係性があり、その変化を表現するならば「友だちに戻れない」などという英語になるほうが自然かと思うんです。この歌詞はそのまま訳すと「私たちは決して友だちになれない」。だから、元から友だちというわけではないんだろうなと。

 友だちじゃないなら恋人という可能性は、と思うのですがそこで挙げたいのが3つ目の根拠「Kiss me like your lover」。もし恋人同士なら「あなたの恋人にするみたいに私にキスをして」なんて言わないですよね。だから、恋人である可能性も消えました。

 友だちでも恋人でもないなら、一体主人公と君の関係性は何なんでしょうか。

 個人的に一番推したいのは、ネットストーカーのような主人公とその対象者である君という関係性ですね。冒頭のブロックに「I just wanna take you away, 一人きりじゃ Feeling so blue」とあります。「あなたを連れ出したい 一人きりじゃ憂鬱だ」ということですが、「探し求めてきた」から繋げると、これまでは主人公と君に物理的距離があったのではないかと思いました。SNS、盗聴器、監視カメラ、なんでもいいのですが、流れ的にSNSあたりでしょうか、そんなようなメディアを介して主人公は君を監視してきた。

 そして、監視するだけでは満足できずついに「Wanna be your man」、「あなたの恋人になりたい」と思うようになります。「I need your lovin' lovin' lovin'」と執拗に繰り返すほど君の愛を求めるようになる。「いつでもCallin' your name」は、「いつでも君の名前を呼んでいる」ですが、その後ろには「それなのに気づいてくれない」という気持ちが隠れているように感じました。距離があるからこそ主人公の声は君には届かないこと、そして主人公が君との距離感を見誤っていることを表現しているのかなと。まさに主人公の病的な部分、狂気です。

 

 関係性の話とはやや逸れますが、主人公の狂気に少しふれたので、ここで歌詞と演出に目を向けてみます。イントロ~「いつでも Callin' your name」までは6人とも黒い幕に包まれ、顔とグローブを付けた手だけを出していました。「I got you baby」~「離さないで Cuz you drive me crazy」で足も出すようになり、「Hysteria」で一斉に幕を剥ぎましたね。

 黒い幕の動きは、主人公の狂気の表出度合いとリンクしているのではないかと考えました。SixTONES自身が主人公の「狂気」だとしたら、黒い幕はそれを覆い隠す物。つまり、序盤の主人公は狂気の片鱗しか見せていなかったものの、次第に崩れていき、1番の「Hysteria」で全てをさらけ出す、狂気が理性を上回るわけです。

 

 

 2.君に対して「恋人のように」、「紳士ぶって」振る舞う主人公

  膨れ上がった独占欲が弾けて、「I got you baby」、主人公は君を捕まえます。この場面以降、主人公と君は同じ空間にいて物理的に接触できる状態にあると捉えました。

 狂気を孕んだ愛を持つ主人公ですが、最初から君にそれをぶつけるようなことはしていません。むしろ、健全な愛を注ぐ恋人のような態度を取っているように感じました。その根拠は3つ。

 1つ目は「Let's take it slow」。あんなに「あなたの愛が欲しい」と焦がれていたはずなのに、性急に求める様子はなさそうです。「ゆっくりでいい」なんて、余裕すら感じさせます。どこから生まれる余裕でしょうか。「深まっていくBlack night」、時間のことなのか、それとも軟禁/監禁状態にあり、文字通り「捕えて」いるからなのか。「Black night」は単純に時間帯だけを指すのではなく、主人公と君のいる空間が暗いものでその暗さがこの先深まっていくことを暗示しているのではないかと思いました。

 2つ目は「いくら君を忘れようとしても I just can't leave you alone」。「忘れる努力はしたけど、君を一人にするなんてできない」なんて、君に対する言い訳をします。まるで、想い合う恋人同士が何らかの障壁に阻まれて別れざるを得ない状況のようですね。「君を一人にするなんてできない」というのは、「君は僕がいなかったら寂しいだろうから」といった本音の裏返しに取りました。

 3つ目は「目と目が合えば You give me butterfries だから君以外 Uh 欲しくない All that I want」。「目と目が合えば あなたは私をドキドキさせる」、目が合うだけ胸がうるさく高鳴るなんて運命だ、と言っているようにすら感じさせます。それくらいの飛躍をこの主人公はしそうかな、と。

 ただ、2つ目と3つ目の部分は主人公が自分の行為を正当化するために「君のせいだよ」なんていう責任転嫁をしているようにも読めますね。後のブロックでわかってきますが、主人公は自らのあらゆることに自覚的だと思っています。

 

 次に「紳士ぶっている」というのはどういうことか。

 想いとは裏腹に「肌に触れた Your lips」と、まずキスをさせるところから始めています。「I just can't get enough その甘いFlavor」と物足りなさを感じつつ、「いつも Missing you, Missing you」、「いつもあなたに会えなくて寂しい」なんて甘えるようなことを言い、「Give me a, Give me a Green light」、「ゴーサインをちょうだい」とお願いをする。

 甘えて許可をねだるなんて一見相手想いにも見えますが、「Give me a Green light」と君に選択肢を与えていません。あくまで、主人公にとっては自らの願望を叶えることが最優先事項。でも、まだ「恋人のように」振る舞いたい主人公はこの先にしようとすることに対して君の合意が欲しいと思っているんです。無理矢理ではただの犯罪になってしまう。でも合意があればその限りではない。狂気の中にも理性が見え隠れします。

 

 この部分は「恋人」「紳士」などというワードをメインに読み取ったので、「嫌がってばかりいてがっかりさせないで」という本音が「(僕の心を)離さないで」という言葉に姿を変えているのかなと感じました。また、二度出てくる「Cuz you drive me crazy」ですが、恋愛に没頭しているような思考の主人公に宛がうなら「あなたは私を夢中にさせる」のほうが適切なので、こちらの訳にしました。

 

 

3.猟奇的な愛が牙をのぞかせる瞬間

 おそらく2のときから時間は何日か進んでいます。それでも、「Girl, Just let me hold ya」と、主人公と君の精神的な距離が縮まった様子はありません。ハグさせてよ、キスしてよと相も変わらずお願いをしている。

 ただ、この直後から様子がおかしくなっていきます。「We'll never be friends」を、さらに意訳して「僕たち絶対にわかり合えないね」としましょう。主人公は自分の想いが通じると思いながら、君から合意を得ようとここまで紳士ぶってきました。でも、君はそれに応じる様子がない。だから、このフレーズに行き着く。ここでメッキが剥がれ始めます。

 その後に「We keep on freaking,freaking,freaking」とあります。「Freak」は動詞だと後ろに「out」をとって「(ショック、恐怖などで)異常な精神状態になる/(麻薬で)幻覚症状を起こす、興奮する」という意味になります。名詞だと「大ファン」という意味もあるのですが、この類語は「addict」=中毒者です。「Freak」は麻薬中毒のような意味と切り離せない言葉であると言えます。

 歌詞に戻ります。この「Freaking」は「Keep on」に続いているので、outはありませんが動詞の意味で取りました。「私たちは麻薬でも使ったみたいにとにかく興奮している」とでも訳そうと思いますが、ここはダブルミーニングになっているようにも思います。

 主人公はずっと焦がれてきた君と触れて好きにできるほど近くにいる。念願が叶い始めたことで、あり得ないくらいに興奮している。まるで麻薬中毒者がクスリをキメているかのように、常軌を逸したテンションの上がり方をしているのかもしれません。

 一方の君は、見ず知らずの主人公に捕らわれただけでなく襲われかけているという、信じがたいショッキングな出来事に直面してしまい、主人公に対する恐怖や行為そのものへのショックで頭がおかしくなっている。

 主人公と君の状態が違うと把握しているからこそ、「We'll never be friend」というフレーズが出てきたのかなと思いました。

 

 その後には、「I just wanna see you again」と続きます。「君とさよならしたい」という意味ですが、「See you again」は「またね」などという軽い言葉ではなく、「ここで別れたら二度と会えなくなるかもしれない」という重い意味を持っているそうです。

 狂気に満ちた主人公の言う「さよなら」は単純に物理的な距離をあける「さよなら」ではないと考えました。麻薬中毒のように気をおかしくさせるのは君の瞳なわけです(「その瞳がMake me insane」)。でも、気がおかしくなっているから君とはわかり合えないのかもしれない。それなら、いっそのこと今ここで自分の手で、君と二度と会えなくしてしまえばいいんじゃないか。そんな気持ちが「see you again」には込められているのではないかなと思いました。

 また、慣用句ではなく単語の意味だけで取って「again」を「次の人生」なんて表現して、「来世でも会いたいな」なんて超訳的な解釈も一緒に添えておきます。

 

 「in pink」はピンク色と訳したほうがいいのかなと思いつつ、この状況の「ピンク」は限りなく「赤」に近いショッキングピンクのような色だろうと考え、あんな感じに訳しました。興奮で頭に血が上っているなんて言いますよね。そのイメージです。ただ、正直もっとうまい訳し方がある気がしています。

 

 

4.倒錯的な世界に溺れる主人公

 「So listen baby~」からを一つのパートにしました。3同様、ここでも時間は経過していると解釈しています。

 軟禁/監禁状態で 主人公は君に呼びかけます。「I'll break it down 何度だって Round&Round」と。これは、なぜ今こんなふうに身体を自由を奪っているのかという理由を説明する、と取りました。気持ちが君に伝わっていないから君はそっぽを向いたままなんだ。わかってくれれば絶対に振り向いてくれる。だったらいくらでも気持ちを教えてあげる、という意味が込められているように感じました。

 次の「夜の闇の中を探すけれど Your love will never be found」というフレーズが、その結果を示しています。君を捕えて、次第に明度を無くしていくような空間の中で行為を続けながら君の気持ちが主人公に向く兆しがないか探るけど、気持ちは向かないどころか「決して見つけられない」=存在しない。この先も君が主人公を好きになることはないと突き付けられます。

 

 そして「二人の部屋はまるでParadise 見え透いた未来 Uh 望まない All that I need」で、主人公の行動はすべて自覚的だったこと、狂気すらも熱に浮かされていたわけではなかったことがわかります。主人公が猟奇的であることが、ここにきてくっきりと浮かび上がってくる。

 「見え透いた未来」の「未来」は「We'll never be friends」の「will」、「Your love will never be found」の「will」を指しています。主人公と君の想いが交わらない、友だちにも恋人にもなれない。そんなことは最初からわかっていました。透けて見えるほどわかりきっていたことでした。

 さらに、今二人がいる部屋が楽園でもなんでもないこともわかっています。連れ去ったうえ、真っ暗な部屋で残忍なことをして、その結果、君がショック状態に陥っている。主人公の気持ちと君の気持ちは絶対に交わらないし、どんな関係にもなることができない。君にとっても主人公にとっても「絶望」の二文字しかない空間が、苦しみのない幸せな空間であるはずがないんです。だから「まるで」にしかならない。

 

 それでも尽きない独占欲と執着心が「All that I need」のワンフレーズに集約されています。想いが交わらない未来なんていらないと、主人公には君だけが必要だと。

 ここからは、主人公が倒錯的な世界、欲望に身を沈めていったように感じています。

 「溺れてみたい Your tears,Your lies」。主人公の行動に対して、君は嫌がる一方どうしても身体が反応してしまう部分があります。主人公には、君の理性と本能がせめぎ合う様子を見ていたい、その様子に溺れてみたいという思いがあるのかなと思いました。涙が本能で、嘘が理性。涙が理性で、嘘が本能。いずれにも取れると思いますが、ここは前者を推します。ここにきてもなお、抵抗するのが「嘘」だと感じていたら主人公がより一層猟奇的に見えるかなと思うので。

 

 「I wanna get you now」は、もう体を繋げてしまいたいというふうに読みました。その考えが浮かんできたことで、「滲んでく Make up」という状態になる。「Make ~ up」には「~を構成する/完全なものにする/~に化粧する」などという意味があります。何かを完全に作り上げていくイメージですね。

 省略された「~」を「me」にして、「Make me up」と読み取ると、2で触れた「紳士ぶっている主人公」の姿が立ち上がりました。一応、途中までの主人公はお願いしたり尋ねてみたりしていましたね。ひどく興奮した場面もありましたが、それはあくまで一般的な欲望を満たせることに対する喜びに起因するものと考えられます。

 ですが、この段階の主人公はもう「紳士」の欠片が「滲んでく」、つまり溶けてなくなっていく状態にあります。もう何も我慢できないほど、塗り固めた虚像が剥がれ、崩れ落ちていったんだろうなと。

 

 「今もDigging you,Digging you」は、体を繋げて奥深くまで知ろうとすることと、動きそのもの、二つの意味がかかっているのかなと考えました。「Dig」は「掘る」という意味に加え、スラングで「理解する/好き」という意味があります。「掘る」という言葉は主人公の動きそのものと重なりますし、それによって「理解する」=君を知るということにも繋がるのかなと。「今も」というのは、「I wanna get you now」を遂行したことを受けての「今も」かなと読んでいます。また、単純に「今も好きでたまらない」という意味でもとれます。

 「見えない Yellow light,Yellow light」は、主人公のもう後戻りするつもりはないという気持ちや、制止の声が耳に届かない状態を表現しているフレーズだと考えました。ただ、「Yellow light」を嫌がっているわけではないんです。続く「そうやめないで」はおそらく、「Yellow light」つまり「制止の声を上げること」を目的語にとっています。抵抗する様子は主人公の気持ちを高める材料にしかならない。

 一見、「やめてと言っても無駄」「やめてと言うのをやめないで」というフレーズは矛盾するように見えます。ですが、前者は制止の声が主人公にとって本来の意味を無くしていること、後者は制止の声が主人公にとって煽るような意味を持つことを示していると読めば、なんとかいける解釈なのではないでしょうか。

 ここの「Cuz you drive me crazy」は、主人公が自分の行動や思考、自分が「Hysteria」=病的に興奮していることに自覚的であることを汲んで「君が僕を狂わせるんだから」と取りました。「crazy」には、こんなふうに軟禁/監禁させて無理に体を繋げなきゃと思わせたのはつれない君なんだから、という気持ちが含まれているのではないかと思います。

 

 

5.猟奇的な愛と執着心の終着点

 4までの異常な興奮状態は落ち着いた印象です。ただ、主人公の異常さがなくなったわけではなく、変わらずにあります。

 「So beautiful」の一言は、主人公が恍惚としている光景が浮かびました。願望を叶えて、満足している状態で目にする世界はさぞ美しいものだろうと思います。おそらく、このブロックでは君も抵抗する気力を無くして闇落ちしているんだろうなと推測しました。「伏し目がちな Your smile」は、泣くのも怒るのも全て諦めた末に思わず笑ってしまうような表情かなと想像しています。もしくは、主人公には君が笑っているように見えているだけか。

 

 「もう二度と戻れない」ですが、これはどこに戻れないと言っているのか。2つの取り方がある気がしています。1つ目は君を捕えて、体を繋げる前の世界。2つ目は君が死んでしまう前の世界。特に推したいのは2つ目の解釈です。

 「死」という発想が出てきたのは、「伏し目がちな Your smile」と「今も Lost in your eyes...」のフレーズがあったから。3つのフレーズがそれぞれ絡み合って、2つ目の解釈が生まれました。

 まず1つ目のフレーズですが、目が閉じ切らないまま亡くなることは全然あります。それを思い浮かべました。主人公に好きにされているうちに、プツっと命が途切れてしまったような、そんな感じです。

 そして2つ目ですが、これは一番最後の三点リーダーが肝だと思っています。三点リーダーはつなぐ記号です。つまり、文章はここで終わっておらず、何かしらが続くと解釈できます。続く文章の前に「...」の訳を解釈しますが、ここでは「なのに」と訳しました。「Lost in」は「夢中になる」という意味があり、そこに「Lose」の「迷う」という意味をニュアンスで付け足して「君の瞳の中で迷子になっている」=「夢中でとらわれている」としています。この二つを組み合わせると「今も君の瞳に夢中で、とらわれたままなのに」となります。

 「なのに」は逆接の接続詞です。「AなのにB」は、AとBが矛盾した内容であることを示します。歌詞に照らし合わせると、Aにあたる部分は「君の瞳に夢中で、とらわれたまま」になります。この内容と矛盾するものを考えると、瞳との距離がある状況を思い付きました。その状況はどんな場合に生まれるかというと、会えない状況に陥った場合です。会えない状況は、単純に距離を置くというのもありますが、この曲の中ではそれだとライトすぎます。

 そこで注目したいのが、このフレーズの前にある「もう二度と戻れない」、3で主人公が抱いた「I wanna see you again」=永遠のさよならをしてしまいたい、という気持ちです。これらを合わせると、命がついえてしまうことで会えなくなると考えるのが自然かなと思いました。

 君が死に、まぶたがちゃんと開かなくなってもなお、君の瞳に囚われている、夢中だと言い切る主人公からは、死に対する悲しみが感じられません。どちらかというと、瞳に狂わされるということができなくなったことに対する悲しみや失望を抱いているのかなと思いました。

 

 歌詞を最後までさらいましたが、一貫して主人公は狂っているというのが私の見解です。君が存在する限り、主人公の病的な興奮は収まらない。なぜなら君そのものが主人公の病的興奮の源だから。主人公の想いは、君が死ぬことでようやく終着するのかもしれません。

 

 

◆考察ー部分的な要素

 ここからは、部分的で上記はうまく混ぜ込めなかったものの、大筋考察の補強になった考察や、部分的な考察、別の解釈を書いていきます。

 

1.冒頭の音について

 イントロに入る前、いくつかの音が鳴ります。どんな音か答えはないですが、以下の3つに分けて考えました。

 ・鳥が羽ばたく音

 ・風が吹く音

 ・電流が流れる音

 この順番で音が流れるのは、自然(鳥)と人工(電流)の対比で君と主人公の距離を表現していると考えました。君が自然、主人公が人工ですね。象徴とするものが対極にあるという意味でも、主人公と君の間には埋めがたい距離があるのかもしれないと思いました。風についてですが、風は自然発生するものでもあり、機械で巻き起こせるものでもあるので、自然と人工の中間に位置するものかもしれません。

 音の流れる順番と音の内容は歌詞全体の流れともリンクしています。まず順番ですが、自然=君と主人公の関係性に何も手が加えられていない状態、人工=関係性、空間が作られた状態=まるで楽園のように感じる二人の部屋、となり、冒頭の音が関係性の変化を示唆していると取れます。

 

 そして内容ですが、鳥を君としてとったのには理由が2つあります。

 1つ目は、歌詞中にある「butterfries」の持つ「羽ばたく」イメージと「鳥」が共通しているということ。「You give me butterfries」は「あなたが私に蝶々をくれる」=あなたのくれた蝶々が胸の内を飛び回る=「ドキドキする」というふうに解釈したのですが、これを主人公と君に置き換えれば、蝶々をあげるのは君で、もらうのは主人公になります。蝶と君を紐づけて考えても違和感はないと思い、蝶と鳥を君のイメージとしました。

 2つ目は、鳥がバタバタと羽ばたくような音を立てていたこと。鳥を君のイメージとすれば、君が羽を激しく動かすような状態にあると考えられます。その状態が生まれるシチュエーションを想像したとき、歌詞の内容から「主人公に捕まり抵抗している状況/主人公に捕まりそうになりジタバタと暴れている状況」が思い浮かびました。一番最初に鳥のはばたく音がきていることは、歌詞のストーリーと照らし合わせても矛盾はありません。

 

 風の音の解釈はそこまで進んでいないのですが、鳥の羽ばたく音と入れ替わりで聞こえてきたので君が主人公に捕まったか、捕まった後に抵抗をやめたことを示しているのかなと思っています。また、電流の音と入り混じって次第に電流の音へ変化していくのですが、これは主人公が君の領域に踏み込み、次第に侵していくことを表現しているのかもしれません。

 電流の音を主人公ととったのには、電流の持つイメージが影響しています。電流というものは安全なものではありません。触れれば感電したり、痛みや苦しみを覚えたりします。君に痛みや苦しみを与える存在=主人公とすると、イメージがぴったり重なるのでこんなような解釈をしました。

 

 ただ、鳥の羽ばたく音と電流の音はもう少しポジティブにとれるとも思っています。比喩表現で「電流が走る」というものがあります。強烈な印象を受けたときなどに使いますが、代表的な使用として挙げたいのが恋に落ちたとき。「彼女を見て電流が走った」などと表現することがありますよね。これはそのまま主人公の心情になり得るのではないでしょうか。こう解釈したとき、鳥の羽ばたく音は自由気ままに、意識的にか無意識にか主人公を惑わすように振る舞う君を表現していると読むことができます。

 

 

2.「Green light」「Yellow light」の解釈

 歌詞解釈では主人公が君に求める言葉、君自身の言葉としてとりましたが、行動そのものが次第に危険に、過激になっていくことを示している可能性もあると感じました。信号は青、黄、赤の順番で灯っていきますが、歌詞も「Green」「Yellow」と順番に進んでいるんですよね。登場していませんが、まるで「Red light」に向かうかのように。

 また、大災害が起きたときなどに行うトリアージも同じ色分けになっていますね。一刻も早く治療すべき人、つまり危険な状態にある人が赤、その次に治療すべき人が黄、緊急の治療を要さない人が緑。こういった観点からも、ここの冒頭で書いた解釈があり得るのではないかと思いました。

 

 

3.単語/フレーズの繰り返し=主人公の執着心

 歌詞の中で印象的だったのが、単語やフレーズを繰り返す場面が多いこと。「lovin' lovin' lovin'」「Missing you,Missing you」「Give me a,Give me a」「freaking,freaking,freaking」「Round & Round」「Digging you,Digging you」「Yellow light,Yellow light」と7箇所ありました。繰り返すことでその意味を強調したり、テンポが良くなったりという効果を狙っているのかもしれません。

 ただ、単語/フレーズの繰り返しというのはネガティブに言いかえると「しつこさ」になります。この歌の主語は一貫して主人公です。つまり、繰り返している=しつこさを持っている人は主人公であると解釈できます。しつこさの対象はもちろん君です。こういうところから、主人公は君に対してかなりの執着心を持っていると思いました。

 

 

4.心中ソング/独占欲の果てに殺すソング/不倫or浮気ソング

 歌詞解釈では君が死んでしまったという解釈に自然と落ち着きましたが、タイトルの通りほかにも3つの解釈があり得るのではないかと思っています。いずれの解釈も全体を通してするのが難しかったので、ここでまとめて書きます。

 心中ソングの根拠は「今も Lost in your eyes...」です。「...」とここだけ文章が途切れているような印象を受けました。「伏し目がちな Your smile」が亡くなってしまった君の状態だとしたら、それを見ながらすでに違う世界(=死後の世界)にいる君に想いを馳せている最中でこと切れた情景が浮かびました。君が死んだなら僕も死ぬ、といった感じです。実際はこのフレーズの後にも歌詞は続いているのですが、既出フレーズだったので考えには入れていません。

 独占欲の果てに殺すソングの根拠は「I just wanna see you again」です。主人公はわりと狂っているので、独占欲が強すぎるあまり自分の手で殺してしまいそうな気がしました。これについては、次の項目でも触れていますが阿部定事件における犯行の動機に近いものがあるかと思います。カニバリズムの一歩手前のようなイメージですね。

  そして不倫or浮気ソングの根拠は、「Girl,Just let me hold ya」~「We keep on freaking,freaking,freaking」です。「Kiss me like your lover」は主人公が不倫もしくは浮気相手だからこそ出る言葉だと思いました。また、「We keep on freaking,freaking,freaking」と私たち=主人公と君が一緒におかしくなっているのいうのは、不倫もしくは浮気している状況を共有しているからこそ出てくるフレーズに感じます。

 ほかにも「Missing you,Missing you」=君に会えなくて寂しいと言っていたり、「Wanna be your man」=君の男になりたいと言っていたり、自由に会えない関係性であることを示すフレーズが散らばっています。深められそうと思いましたが、長くなりそうなのでまた別の機会があったらそのときにでも。

 

 

5.カニバリズムの要素

 人間が人間の肉を食べる行動、または習慣のことをカニバリズムといいますが、歌詞の読み方によってはカニバリズムの要素があると感じました。

 「Your lips,so red」の赤は血を指していて「君の唇が血に濡れている」、その後の「I just can't get enough その甘いFlavor」はまさにそのまま。甘い味がするのは君の肉で、まだ食べ足りないということなのかもしれません。また、「I wanna get you now」の「get」は食べるという意味を持ちます。食べ始めたとしたら、「Digging you,Digging you」を君の体の中の中まで食べ尽くしたいくらいの訳をしてもいいのかな、と思います。

 カニバリズムという発想は主人公が強い独占欲を持っていると感じたところから生まれました。実際に起きた事件でいうと、昭和11年に起きた阿部定事件に近いものを感じています。女性が不倫相手の男性を殺害、局部を切断し3日後に逮捕されるまで持ち歩いていたという有名な事件です。彼女は殺害した理由を「彼を殺せば他のどんな女性も二度と彼に決して触ることができないと思い、彼を殺した」と話したそうです。これは歌詞の本筋で解釈した部分と重なるように思います。余談ですが、切断し持ち歩いていたのは、不倫相手の男性の体を持ち歩き、いつも側にいたかったからだそう。愛ゆえの狂気ですね。

 食べるという行為は栄養を摂取するための行為ですが、見方を変えれば栄養素を自分の肉体と一体化させる行為とも言えます。もしカニバリズムだとしたら、主人公の行動原理は君への強すぎる想いになるのかもしれません。君を想うあまり、君と一体化したくなったという感じですね。ひとつになることの究極です。

 

 

 以上です!ここまで読んでいただき本当にありがとうございます。

 想定していたよりもずいぶん長くなったうえ、ずいぶんと偏りのある解釈になりましたが、「Hysteria」の歌詞とがっぷり四つに組み合えた感じがして満足しています。楽しかった。論理が破綻している気がしますが、気づいたら後でこっそり直します…

 書き終わるまでいろいろな方の解釈や和訳を読むのを我慢していたので、読み漁ってきます。わくわく!

 また、これを読んで興味がわいた方は、ぜひSixTONESの「Hysteria」をご覧になってください!テレビでしたら来月の少クラセレクションスペシャルでご覧いただけるかと思いますので、ぜひ!独特の世界観とパフォーマンスに圧倒されます。めちゃくちゃかっこいいです。

 

 それでは!